ミドリガメを動物病院へ連れてくる理 由

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

クサガメ、ミドリガメという動物を知らない人はいないくらいメジャーなペットですよね。
ペットの入門種として、小さなお子さんが初めてペットをお迎えする際に選ばれやすいペッ トでもあります。
小さなお子さんから、年配の方まで幅広く愛されているペットの1種ではないかと思います。 今回はクサガメ、ミドリガメが溺れる秘密ということでお話ししていきたいと思います。
ハムスターさんを飼育されているかた、これからハムスターさんを飼いたいと思っている方
は是非とも最後までご覧ください。

ミドリガメはペット入門種の代表

小さなお子様への情操教育としてお迎えするペットとして、多いのはハムスタ ーさんとこのミドリガメさんですよね。
生体価格がそこまで高くなく、飼育に必要なセットもあるし、フードもある
し、維持費もそこまで高くない。
最初は小さいので、余計に可愛いですよね。 飼育もそんなに難しくない、「イメージ」があるので、飼うハードルが低い。 そういったいろんな背景からお迎えすることになるんですね。

最初はそれなりに頑張って子供達がお世話する

最初は可愛いし、お迎えしてそのモチベーションもあるので、お世話も頑張れ る!
ご飯食べるかなー、水汚れていないかなーとか一生懸命観察する。
みんながみんなそういうわけではありませんが、中には時間と共に、そのモ チベーションが低下してくると言いますか、楽しい、興味を惹くものが他のも のに移行していく。そうすると、徐々にこれまでのようなお世話をしなくな ってくる。

やがては子供達がお世話をしなくなる・・・

環境の変化として子供達にとって大きなのは、中学生になったときの環境の
変化でしょうか。
部活動など、勉強などこれまでとはそのエネルギーを注ぐ対象が異なってく
る。
徐々にカメのお世話をするモチベーションが低下していっているところで、こ ういった環境の変化が決定的となって、カメさんのお世話をしなくなってい く。

お世話をしなくなったミドリガメさん、その後

どうなったかというと、結局のところ、お母さんがそのお世話を引き継いでいく。
または、自然界に放流してしまう・・・(これは良くない)
徐々に子供達がお世話をしなくなったミドリガメさんを目の当たりにしたお母さん は、なんだかんだで、ちょこちょこお世話をしてくれちゃってるんですね。
それを繰り返すうちに徐々に、お母さんの愛情深さがミドリガメさんに、情が写っ てしまって、大切にお世話してくれるようになります。
愛情深い奥様は、放って置けないんですよね。

なんとなくで飼育スタートした方が多い

前回でもお伝えしましたが、なんとなくで飼育をスタートした方が多いの で、時間が経つに連れて環境の変化が起こってきたりします。
病気によりますが、徐々に進行するパターンのものはすぐには気が付かな
い。(以前にお伝えした水深の問題など、紫外線不足による病気など)

というわけで

子供達が幼少期に飼い始めたミドリガメさんですが、子供達の環境の変化に
伴い、飼育しなくなってしまう。
愛情深い奥様が、それを放置できず、代わりに飼育してくれる。 でも、飼育方法に問題があったりして、その際に来院する。

お母さんも一緒にミドリガメの飼育方法を知る必要性あり

情操教育で飼うことになったミドリガメさんですが、子供達の自主性に委ねるだけでは難しいことが多いようです
お母さんもミドリガメさんが元気にしているか、確認する必要があります。
そして、おそらく、10年後ぐらいには、お母さんが、子供達が飼育をできなくなっ たミドリガメさんを代わって飼育してあげないといけません。ほぼほぼそうなるんだ と思います。その覚悟を持ってお迎えする必要性があります。
他人事ではなく、お母さんがミドリガメさんの飼育方法を熟知する必要があります。 ペットは終生飼育が原則です。途中で自然に返したりしてはいけません。

ミドリガメさんは20年以上生きます

操教育で飼う始めましてのペットとして、本当にミドリガメでいいの?っていうことを今一度、考えてほし いと思ったりします。
結局のところ、最後まで、お母さんが責任持って終生飼育してくれるのであればいいのですが、何十年も大切 に飼える方もいらっしゃる一方で、自分で飼いたい!って思ってお迎えしたペットじゃなかったりすると、 そこまで大切にできなくないですか?また、ミドリガメさんって30cmぐらい、それなりに大きくなる。
そして、ミドリガメさんは長生きで20年以上生きます。 そのことを理解して愛情を持ってお迎えをして最後まで大切に終生飼育してもらいたいなと思います。 その辺りを考えて、最初のペットをお迎えする必要性がある
それに対して、ハムスターさんでは、寿命が2年ぐらいで短いです。情操教育という考え方ではお子さんが小 さい時の2年という意味ではちょうどいいかもしれません。

まとめ

子供の情操教育にと幼少期にお迎えしたミドリガメさんは、子供の成長に伴い起 こった環境の変化によってお世話をしなくなることが多いです。特に中学校や、 高校、大学に進学した時です。
やがて飼育をするのがいつの間にかお母さんに返ってきます。でも十分な飼育の 知識がなかったりして、病気になる。
このような背景があって、ミドリガメさんのご来院いただく方は素敵な奥様が多 いです。
これの意味することをよく考えて欲しいなーって思います。

補足

この現象は、ミドリガメさんに限ったわけではありません!ですが、寿命が長いのと、お迎えするにいたった動機が子供 達の自主性であることが少なかったり、一過性の動機ですぐに飽きたり、興味が他に移ってしまって飼育しなくなってし てしまうのだと思います。
今回、ミドリガメさんについてのお話になりましたが、「ミドリガメって今ペットショップにいるっけ??」って思われ た方、その通りです!
外来種問題というのがあって、生体系を破壊する危険性のある海外からきた動物はペットとして販売するのはちょっとご めんなさい・・・みたいなやつですね。
残念ながら日本で、このミドリガメさんがその問題を起こす外来種に該当しているので、ひと昔前までは買えましたが現 在は買えなくなっているペットショップさんがほとんどだと思います。
でも、今回のお話は、ミドリガメさんに限ったことではなく、現在一般的に流通している、イシガメやゼニガメ(クサガ メ)に置き換えて考えていただければと思います。おそらく、10年後ぐらいには、イシガメやクサガメを連れてくる素敵 な奥様が増えるのかなと思います。

YouTubeチャンネルでは動物の様々な病気や飼い方についてのことを伝えています。あなたがペットを飼っているのであれば、ぜひチャンネル登録してくださいね。動画でもご覧ください!ありがとうございまいした~安田でした~