まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています
私は年間約5000羽ほどの鳥さんを診療しています。 今回は、足の状態を見るだけでわかること5選ということでお話しさせていただきます。 見ただけでわかる!ということは正常との違いをわかっていれば、獣医師じゃなくても異常がわかるのではないかと思います。
今日の話を聞いたら、きっと、これまでいつも見ていた足が気になって、そういう見方しかできなくなるのではないでしょうか。 (僕はペットショップに行くのが好きなんですが、ペットショップの鳥たちの異常がないか病気を探してしまう職業病があるんです が、やはり前回のくちばしと足など見える場所をチェックしてしまいます)
足も、体重と同じように、隠すことのできない、非常にわかりやすい健康チェック項目の一つです。しかも触る必要のない検査方 法です。
今日のお話を知っておくだけで、僕らと同じレベルで足の異常を早期に発見できるようになるかもしれません。
命にかかわる重要な病気の場合もあるので是非とも最後までご覧ください
まずは正常な足
鳥の種類によって形状は変わりますが、インコ・オウムは前二本後ろ二本。 ブンチョウやきんかちょうなどのフィンチは前3本後ろ一本となっています。
普段から健康状態をよく覚えておいてください
1、節々に白い塊が、足を挙げて痛そう
ところどころに白い塊。これは人間にもある痛風(尿酸が 結晶化したもの)ご存知の方も多いよう人間にもある病気で痛いことで知られて います。鳥さんも痛い。尿酸は体温より冷たいところで結晶化しやすいので冬に
最初はなんとなく赤く、少し痛そうに足をあげる
原因:腎臓が悪い時になる。(人間と大きく異なるところ)
命に関わる状態なので、すぐに病院へ
治療:点滴や尿酸排泄を促す
2、足の裏がじゅくじゅくしている、そこが腫れている
これはバンブルフットという病気の可能性
長時間、その場所に体重が乗っているせいで血流障害が起こってしまった
(床ずれ)
感染を起こしている場合もあり、じゅくじゅくしてくる
原因:肥満、運動不足、不適切な止まり木、片足が痛い(正常な足に全体
重が乗っているせい)不衛生な状態
治療:ダイエットなど環境の改善、抗生剤の内服。
3、爪の一部に赤黒い斑点がある
肝臓が悪いサイン
くちばしにできることもある 肝臓が悪い場合、放っておくとなくなってしまうことも 爪が黒いとわからない
(病院でしてくれる処置:何が原因で肝臓が悪いかによる。肥満が原因でなる ことも。肝臓の機能を高めてくれる内服で様子をみることが多いかも
4、足の皮膚がカサカサしている
カイセンという、ダニの可能性
痒みを伴うことも、ないことも。 足以外にもくちばしや、鼻や、目の周りにも同じようなカサカサができる 命に直結はしないけれども、カサカサがひどくなったり、どんどんと炎症が広がっていくこともあります。 他の個体にうつる可能性もある
早めに動物病院へ
(病院での処置)ダニをやっつけるお薬を塗る
5、足のピンク色が薄い
ブンチョウやセキセイインコなどでわかりやすい(黒い色などではわからな い)
貧血、低血圧かも (貧血低血圧だとどうなるのか。少し煽り気味) 処置については原因によるのでとりあえず、病院で検査を
6、足に白い繊維が巻き付いている
写真のようにかなり細い白い繊維が足に巻き付いている(よく目を凝らしてみないとわからない場合も)
絞扼と呼ばれるもの。指に巻き付いてそこから先の血流を遮断する。
痛みがあるので、自分で気にしてかじったりする
ひどいと足を切断することも
原因:ケージないに設置した綿(巣箱的なものとして使用)や飼い主さんのセータなど(かたに止まったりしてい
るうちに絡まってしまう)
特にこの冬の季節は注意が必要。
処置は絡まった繊維を解く
未然に防げる
7、指の一部が黒くなっている
血流障害による壊死を起こすと黒くなってしまう(ミイラ化)
原因:ケージないに使用している保温電球などで火傷をして起こる。前のスラ イドにある絞扼でも時間が経つとこういうことになる
痛くて気にして自分で齧ってひどくするケースも 未然に防げる病気。特にこの冬の季節は注意が必要。
まとめ
1、節々に白い出来物:
痛風!腎臓悪いかも
2、爪の裏がじゅくじゅくしている:
腫れている:肥満、運動不足など
3、爪の一部に赤黒い斑点がある:
肝臓が悪いかも
4、足の皮膚がカサカサしている:
カイセンというダニかも
5、足のピンク色が薄い:
貧血、低血圧かも
6、足に繊維が絡まっている:
絞扼の可能性。すぐに取らないと大変なこと
7、指が黒くなっている:
壊死しているかも。適切な処置を
補足
今回は見た目でわかる異常ということで、触診でわかる異常(関節炎や腫瘍 や脱臼や骨の異常、靭帯の損傷など)は除外してあります。
冬に起こりやすい病気、いくつかありました。繊維が足に絡まってしまう病 気、火傷による壊死、痛風ですね。痛風は仕方ないとして、それ以外の病気は 予防できる病気なので、是非ともご注意いただければと思います。(結構ひど いことになるので・・・)
あとは、肥満が原因で起こってしまうものもありました。
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