獣医師だけが知っている、そのう 検査でわかる5つのこと

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

私は年間約5000羽ほどの鳥さんを診療しています。
その中でいろいろな質問にお答えしていますが、間違った知識や理解が広がってしまっていることが多々あります。
鳥さんの健康診断の中の一つに「そのう検査」というのがあります。今回は、「そのう検査 でわかること」に関してお答えしていきたいと思います。
鳥さんを飼われている方、そのう検査をしてもらえなくて不安になった方、既に吐き戻しし ていてそのう検査をうけたい、とか思っていらっしゃる方は是非とも最後までご覧ください。

そのうって何?

食道の一部が広がった空間。
餌を一時的に貯めておく場所で、胃みたいに消化することはできない。

そのう検査ってどんなふうにするの?

金属の棒を口からそのうまで入れます 次にそのうのなかに水を入れて、その液体を素早く吸い取ります。 口から入れた金属の棒を抜いて、終了。 その液を顕微鏡で確認します。

1 真菌(カンジダ)

幼い鳥さんに多い病気です。ストレスや免疫の低下などでなりやすいみたいで す。
正常でもいるがその場合は、雪ダルマのような形状 (図)ご覧のように菌糸といって枝分かれしている場合は異常です。
症状としては吐き戻しです。食べたものが流れて行かずに、そのうにずっと溜 まっています。
放っておくと無くなってしまいますので、治療をしないといけません。

2 トリコモナス

トリコモナスという寄生虫の感染
そんなに多くはない病気ですが、ペットショップで給餌器を使い回ししていると集団感染 することもあります。一気にたくさんの鳥さんが来られる時があります。その時はやはり ペットショップで蔓延しているのかと思います。
ご覧のように、ラグビーボールのようなものが蠢く。 文鳥やオカメインコ、セキセイインコで見られる 症状は吐き戻しがあることもないことも、その場合は徐々に痩せてくる 免疫力があれば、普通に生活している鳥さんも多いです。

3 副鼻腔炎

白血球が多数確認される
それプラス、くしゃみしているとか、目の周りが赤いとかあると、副鼻腔炎 を疑って治療する
そのう炎と間違いやすい? 鳥さんは副鼻腔炎で亡くなっちゃうこともあります。 先ほどお伝えしたように、くしゃみや、目の周りが晴れてきたら要注意です。 すぐに病院へ!

4 ビタミンA欠乏症

上皮細胞という、そのうの粘膜細胞が多数確認されると、その疑いがある。
あくびが多いなどの症状があると怪しい。
すぐに生死に直結する病気ではない。ビタミンAというのは菌の侵入を防ぐバリア機能に関 係している栄養素だと言われています。
そのバリア機能が少なくなるので、その結果バイキンの侵入を許してしまいやすくなり病 気になってしまったりします。
直接診断するのは難しいので、試験的に治療をしてみて様子を見る 食べ物の改善や、ビタミン剤の定期的な摂取で治療することがおすすめです。

その他

発情していると粘液が多いそのうの液
マクロラブダス症でひどくなるとドロッとした粘液、胃からの液が逆流してい るとか
酸っぱい変な匂い、オカメインこの幼鳥で多い。食べた流動食が正常に流れないでそのままになっていたり、
様々な異常を見つけることができるので、その他としました。

それでは今日のお話をまとめます!

そのう検査のやり方
真菌症
トリコモナス
副鼻腔炎
ビタミンA欠乏 その他、粘液の程度、色や匂いなどでわかること

補足

そのう検査でわかるものもいくつかありますが、私からすると多くはないかなと思います。
でも症状がなく、隠れた病気を見るけることができるその結果、発見が遅れると、 手遅れになってしまう病気を見つけることができます。
そのう検査単独では先ほど伝えたように、多くはないので、他の所見と合わせて総合的に判断する。
今回の動画をご覧いただき、そのう炎について知識を深めたい方は、
以下の動画「鳥さんのラブゲロを知っていますか」も合わせてご覧ください。

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