まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
私は年間約3000匹ほどのわんちゃんの診療をしているんですが、多くの方が、愛犬の避妊手術や去勢手術をされるかと思います。
手術の傷、気にして舐めてちぎってしまうことありますよね。傷が開いてしまって、動物病院に行って、獣医師の先生から「なんで こんなになるまで様子を見たんですか!?」とか「どうして傷をなめないように見てあげれてないんですか!?」とか、言われてし まった方がおられまして。
どうしてこんなことになってしまったのか!?一体何が原因なのか?ちゃんと見てあげられなかった飼い主さんが本当に悪いのか なといった私の思うところを話したいと思いました。
これから避妊手術、去勢手術を受けようかなと思っていらっしゃる方、過去に傷が開いてしまったことがある方のためにもなるか と思いますし、獣医師の立場の話も、飼い主さんのためにも、何よりもわんちゃんのためにも最後までご覧頂ければと思います。
飼い主さんの心情としては・・・
エリザベスカラーを装着するように獣医師から指示されました。
でも、それがとても窮屈そうで・・・ご飯も食べづらそうで・・・エリザベスカラーしてあちこ ちぶつかって歩いて・・・
エリザベスカラーをするとパニックを起こしてしまうので・・・ エリザベスカラーをすると動かなくなるので・・・ 飼い主さんとしては、愛犬がなるべく負担なく過ごしてほしい・・・ついつい外してしまったり
ずっと監視できるわけではないので、仕事で帰宅したら傷が開いていました・・でもずっと監視 できるわけではないので・・・
愛犬の心情としては・・・
エリザベスカラーは拘束具みたいなもの。ストレス! 痛みがある傷口は気になるし、舐めたい!(舐めて治す?) 縫合した糸も舐めて牙でかじって綺麗に取ってしまう。 特に、治りかけのとき、痒くて舐めたい! なんとか色々体勢を変えて体を捻ってみると、傷に届く方法を見つける! 多頭飼いしていると、仲間が気にして傷を舐めてくれる。
獣医師の心情としては・・・
できれば何事もなくスムーズに傷がくっついてほしい。
一度裂開すると、傷のつきが悪くなる。自分で舐めてしまうせいで、感染を 起こすことも多い。
エリザベスカラーや洋服を着させて傷が開く要因をなるべくゼロに。
傷が開いた原因が、獣医師側のミスと思われたくない→飼い主さんのせいに
してしまう。
結論:誰も責めないのがいいかな
誰も責めてはいけません!
みんなそれぞれも理由があって、傷が早く治るように頑張っている。
動物の行動を100%コントロールできるかというと、予期せぬ行動に出ることもある。
本能的に傷があれば舐めてしまいます。みんながみんなではありませんが。
飼い主さんも、愛犬が可哀想でなんとか負担をストレスを減らしたいという思いからそうなった。
それに飼い主さんは動物の扱いに関しては素人ですし、ましてや傷の管理に関して何が良くて何が悪いか までわからないし、そこに責任を押し付けてはいけません。
獣医師も、できる全力を持って対策して開いてしまったのであれば、それを受け入れて、舐めちぎった愛 犬を褒める度量も必要。「私の想像を超えてきました・・・天晴れと
まとめ
手術後、愛犬が傷を舐めて開いたとしても誰も悪くないことが多い!
というのも、それぞれの傷を治したいという思いがあって、開いてしまった のであれば、仕方ない。
仮に、獣医さんに責められたとしても気にしない。ちょっと機嫌が悪かった
のかな、ぐらいで飼い主さんも落ち込む必要はない。
それよりも、早めに気づいてあげて、対処することができれば問題ないこと
がほとんど。
補足
すごい先生は、飼い主さんの性格やその犬の性格も見越して、傷が開かなような対策を立てるそうです。
それゆえに、傷が開いた理由は、飼い主さんの性格や犬の性格を見抜くことができなかった獣医師自身の責 任、っていう先生もいらっしゃいます。ストイックですよね。動物と病気のことだけではなく、飼い主さんの 行動や性格まで治療方針を組み立てるときに考慮する。
そんなわけで、先ほど誰も悪くないと言いましたが、強いていうなら見立てを誤った獣医師の責任かもしれ
ません。
あと、思うこととして、獣医師と飼い主さんにおいて、なんでも不安なことがあれば気軽きくことができる良 好な関係性を築くことができているかどうか。対動物看護師さんでもいいと思います。
忙しそうだし、こんなこと聞いていいのかな?いろんな忖度があったりして様子を見てしまう方がいらっし ゃいます。忙しいオーラを出してしまっている僕らも悪いのかもしれません。なんでも気軽にいってくれる関 係性を築くことができたらなーって思います。
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