まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています
私は年間約5000羽ほどの鳥さんを診療しています。
今回は、「インコとオウムさんの正しい捕まえ方」についてお話ししたいと思います。
鳥籠、から体重を測るケーすへ移動するとき。部屋に放鳥した後に、鳥籠に戻すとき。日常的に必要になってくる技術かと思います。
今日のお話を知っておくだけで、これまでなんとなく捕まえていた方法が、こういうポイントを抑えて捕まえてあげるだけで、安全性に ついて自信を持って捕まえることができるようになるのかなと思います。
今回の動画は三部作の構成になっておりまして、
1、今回の「正しい捕まえ方」2、「爪切りの時の持ち方」3、「爪の切り方」となっています。全部見ると爪切りができるようになって いますが、実際問題慣れが必要でして難しいかもしれません。何も知識なしにチャレンジして深爪して・・みたいなことが多い。そこで こういった事故を減らすために作成した動画なので、これを見てチャレンジしてほしいということではなく、決して無理はしないように お願いいたします。それでも爪切りを自宅でしてあげたいと言う方は是非とも3話までご覧ください。
なお、それぞれの動画に関しては、概要欄にURLを貼っておくので、一緒にご覧いただければと思います。
鳥を捕まえるときのお作法
通常は皆さん、どんな捕まえ方をされていますか?
なんとなく、経験的に適当に捕まえているとは思いますが、概ね合っています!
しかしながら、理由とともに正しい知識を持って安全に捕まえることで双方にと ってメリットはあるのかなと思っています。
後から実際に捕まえ方を動画にて説明しますが、その前に僕が気をつけているポ イントについて説明したいと思います。
鳥を捕まえるときの3つのお作法
1、胸の動きを制限しないこと:呼吸ができなくなって危険(こんな感じと、ぬいぐるみで 実演)
人間は首を絞めると窒息してしまいますが、鳥は首を絞めても窒息はしません。映画とか で中国の市場の一場面で「取ったどー」みたいにして、首を捕まえているシーン、イメージ ないでしょうか?実際こんな感じの持ち方ですね。その持ち方をしても鳥は大丈夫ではな いかもしれませんが、窒息はしません(力一杯したら流石にダメですが)。
それとは打って変わって、胸の動きを制限してしまうと窒息してしまいます。非常に危険で す!鳥は横隔膜がありません。「気嚢(きのう)」という肺へ吸った空気を送り出すポン プのような臓器が胸やお腹にあります。つまり胸の動きを制限すると、そのきのうが機能 しないので呼吸ができない状態になってしまって危険ということです
鳥を捕まえるときのお作法
2、暴れるだけの「あそび」がないように手のひらで「小さな鳥籠」を作る
暴れると言うことは、それだけ暴れる余力がある持ち方をしていると言うこと。正座を している状態で上から肩を押さえられると立ち上がることができなくなるのですが、そ んなイメージの持ち方をします。完全に関節を曲げてしまうとそこから力を入れように も力を入れることができない。そういう持ち方をします。柔道とかされている人だとと なんとなくわかるかもしれません。
3、首の動きを制限する
首の動きを制限する理由は二つ。一つ目は噛まれることを防ぐ。二つ目は首を伸ばすこ とで暴れにくくなります。大人しくなる。
実際の持ち方
首を小指または親指で一周する
足はその他の指の腹で掴んでもらう
翼は手のひらと指のはら全体で羽ばたくのを諦めるぐらいの空間の制限をす
る
まず、近づくこともできない場合
真っ暗にしてゆっくりと物音を立てずに近づいて捕まえる。 ハンドタオルを使って捕まえる
まとめ
皆さん、どうでしたでしょうか?これで安全に捕まえることができそうでし
ょうか?ある程度、練習する必要がありますので、すぐにはできないとは思
います。
鳥を捕まえるときのお作法 1、胸を押さえない 2、小さな鳥籠を作って、遊びをなくす 3、首を伸ばして大人しく
補足
なんとなく捕まえるという方法を取られていたのであれば、それにプラスして安全に捕まえるこ とができるのではないでしょうか。
これまで、インコとオウムの比較的安全な捕まえ方についてお伝えしてきたにのもかかわらず、 こんなことを言うのもあれですが、掴まなくてもいい一番安全な方法は、インコ自ら、目的の場 所に行ってくれるように意思の疎通を図ったり、トレーニンぐすることだと思います。
無理矢理というのは、僕らの方が体格も力も大きいのでできますが、逆の立場だったらどう思う でしょうか?やはり怖いと思いますし、何よりお互いの信頼関係を考えた時、決してベストな方 法ではないと思います。
これに関しては、当院主催のセミナーを定期的に開催しておりますので、よろしければご参加い ただければと思います。
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