亀を飼う前に知っておくべき7つ

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

私は年間1000匹ほどの亀さんを診察します。ミドリガメさんはお子さんがペットショップでその可愛さから思わず飼ってしまうペットの一つです。 初めて飼ったペットがミドリガメさんと言う方も多いと思います。
本当に残念なことに、来院されるミドリガメさんの半分以上は飼育環境さえ適切にできれば、なること のない病気となっております。
ほんのちょっとだけ、ミドリガメさんのことを知っているだけで防げるものがたくさんあります。なら なくていい病気にはなって欲しくない、そう言う想いで本日はお話させていただきたいと思います。
今日はお子さんが初めてお迎えしたペットであるミドリガメさんのためにも、そういうかわいそうな思 いをさせたくないお母さんお父さんにはぜひ知っていてもらいたい7つのことをお話ししたいと思います。

1水の中で生活している

これを知っている人にとっては「何を今更!?」っておもわれる方も多いかとは思いますが、実はミドリガ メさんは基本的には水の中で生活しています。
なぜ、こんなことをお伝えしないといけないかと言いますと、犬や猫みたいに部屋の中をずっと、自由に放し 飼いにされている方がそれなりにいらっしゃるからです。
ミドリガメに限らず、クサガメ、イシガメでもこういった部屋の中で放飼と言うケースはそれなりに拝見します。
陸地での生活を基本にしてしまうと、甲羅の変形が起こってしまいます。
このようになります。小さなベストを着たように小さな甲羅で生活しています。とっても可愛そうで すよね。
ちゃんと水の中で生活させてあげてください。

2 十分な深さの水を入れてあげる

これも「何を今更!?」って思われる方が多いとは思いますが、本当にこれができていない人が多いんです。
足がつかるかどうか程度の浅い水しか入れていない方がかなりいらっしゃいます。
十分な深さがないと、甲羅の変形が起こってしまったり。足の裏に穴が開いてきたり、甲羅 に穴が開いてきたりします。
また、何らかの拍子にひっくり返ってしまったとき、十分な浮力が発生しないので、溺れて しまうこともあります。
そのカメさんが背中まで水の中に入れる、かつ、浮力が発生する程度の深さは確保してあげてください。

3 爬虫類を診察可能な動物病院を見つけておく

獣医大学では爬虫類の病気の勉強は微塵もしない!
私は未経験から始まりましたが、毎日毎日診察して、たくさんの医学書を読み、経験を積んで今に至 ります。今では年間1000匹ほど診察するほどになりました。
多くの動物病院は犬と猫のみのところが多いです。そう言った動物病院に受診することは、人間で言 う産婦人科の先生のところに「歯が痛くて」と言って受診するようなもの。見れなくはないかもしれ ないけど、検査や治療に必要な道具も経験も不足しています。
病気になってからでは手遅れになることもありますので、ミドリガメさんを飼うのであれば診察して くれる動物病院を見つけておいてください。
また、定期的に体重を測定して記録をつけておくと、病気を早期に発見できたり、獣医さんにとって 有益な情報になることもあります。

4 甲羅の秘密

甲羅は人間で言う背骨と肋骨になります。
人間が背骨を折ると大変なことになると同じように甲羅が割れると大変なことにな
ります。
滅多に割れるものではありませんが、カメさんを落とした、車で引いてしまったな
ど、甲羅が割れると生死に関わる重大なことになりますのでお気をつけください。
逆にお腹はまだマシです。割れても手術をすれば助かることが多いです。 カメさんの甲羅は神経が通った大切なところだと覚えておいてください。

5 乾燥エビを餌として与えない

ビタミンA欠乏を起こして目がポンポンに腫れてきてしまう!
目が腫れてひらかない状態 目が見えないから、ご飯も食べることができなくなってしまう。 食べるからといって健康にいいわけではない(僕らも同じ) そのカメさんにあったご飯を与えること(人工飼料など)

6 陸地を作って日光浴をさせること

甲羅干しをする動物。そこで体温をあげて、代謝をあげたり、甲羅について
いる微生物をリセットしたり、紫外線を浴びてカルシウムの吸収を促したり。
これをしないと甲羅の変形が起こったり、腐ってきたりします。
太陽光は難しい場合もあるので、ペットショップで販売されている保温電球や 紫外線ライトを使用してあげてください。

7 温度管理をする

外の温度に伴って動いたり、ご飯を食べたり、する動物。
冬は寒すぎて、冬眠してしまう。
十分な蓄えや、季節の変化に伴う自然な温度変化なく冬眠すると、春に起きてこないことも。
冬眠させることに慣れていない場合は、無理せず、温度管理をしてあげてください。

今日お話しした亀を飼う前に知っておくべき7つをまとめます!

1水の中で生活している
部屋で放し飼いをしない

2 十分な深さの水を入れてあげる
じゃないと溺れてしまうよ!

3 爬虫類が診察可能な動物病院を見つけておく
ほとんどの動物病院は犬と猫しか見てくれない

4 甲羅の秘密
甲羅で覆われていてもわかる健康のバロメータの一つ

5 乾燥エビをあげないで
よく食べるといってあげないでください。病気になります。

6 陸地を作って日光浴をさせること
日光浴にはミドリガメさんが健康で生きていくために必要なこと があるよ

7 温度管理をする
外の温度によって代謝が変わる動物

補足

知っている人にとっては当たり前な情報が多かったかもしれませんが、それぐらい基本的なことを知らずに飼われている方が多い。
おそらく、この基本的な飼育環境にしてあげるだけで、ならなくて済んだ病気は本当に多い。
爬虫類は哺乳類とは異なり、体温を自分で維持することはできない動物。

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