まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています
私は年間600匹ほどのモルモットさん診察します。小さな子供から大人まで、昔から根強い人気がある ペットだと思います。外かもしれませんが、モルモットさんもそれなりに病気になってしまいます。
しかしながらモルモットさんの飼い方や特徴を知っているだけでならなくていい 病気というのがあるのです。ならなくていい病気になってほしくない。
そういう思いをこめて今日は可愛いモルモットさんのためにも、すでにモルモッ トさんを飼っているあなたに、これから飼おうかなと思っているあなたにぜひ知 っていてもらいたい9つのことをお話ししたいと思います。
1臆病な動物
かなり臆病な性格です。 怯えているのに、無理やり触ろうとするのはやめましょう。
元々の性格やどれぐらいコミュニケーションを幼少期から取れるかにもよるけど、基本的にはあま り過剰な接触は得意としない動物。
診察では、怖くて固まって動けなくなるか、逃げ惑うかどちらかをとることが多く。攻撃してくる モルモットは全くといっていいほどいない(どんな悪いことがあるのか)
安心して過ごせる空間をまずは作ることから。ケージ内には隠れることができるハウスを入れてあげてください(齧っても大丈夫なもの)
2体の割に排泄物が多い
一日が終わると、かなりの排泄物なので、90cmのケージでも床がおしっこと糞でぐちゃぐちゃになる。
ある程度、決まった場所にする傾向があるが、それでも歩き回ったりしてあちこちに する子もいる。
皮膚病や足の裏に穴が空いたりする、肺や気管にダメージを与える。
吸水性高い床材を選ぶこと、食べても大丈夫な床材を選ぶこと。(具体的な床材を実物にて説明)
毎日、こまめな掃除をしてあげてほしいです。
3床に金網を使用しない
排泄物が多く床が不衛生になるので、それを解消するために、金網を床に使用して、 排泄物が下に落ちるような仕組みのケージがあるけどだめ!
理由は二つ。
一つは、床が硬いと、踵に穴が空いてきてしまう(足底潰瘍)床ずれと同じ感じ。
二つ目は、その穴に誤って足が入ってしまって捻挫や打撲、ひどいと骨折してしま う。臆病が故に、トラップに引っかかったと間違えて暴れて骨折になってしまうケー スがある。実際に何度か来院して骨折の治療した。大抵は幼少期。
床材を使うようにすること。
4ビタミンCが合成できない
モルモットは人間と同じでビタミンCを体内で合成できない。(ほとんどの動物は体内で合成できる)
ビタミンCが欠乏すると壊血病という病気になることがあるけど、
なので、ペレットはモルモット専用のものを使用する。同じ草食動物のウサ ギ用などはビタミンCが入っていないので代用は基本的にはしないこと。
ちゃんとしたご飯が一般的に流通しているので、しっかりとしたご飯を与えて あげてください。最近ではあまりない病気。
5モルモットを診察可能な動物病院を見つけておく
モルモットなら、流石に獣医大学でそれなりに勉強すると思っている人も多いのかもしれませんが、実際はモルモットの病気の勉強は微塵もしない!
私は未経験から始まりましたが、毎日毎日診察して、たくさんの医学書を読み、経験を積んで今に至ります。今では年間600匹ほど診察するほどになりました。
多くの動物病院は犬と猫のみのところが多いです。そう言った動物病院に受診すること は、人間で言う産婦人科の先生のところに「歯が痛くて」と言って受診するようなもの。 見れなくはないかもしれないけど、検査や治療に必要な道具も経験も不足しています。
病気になってからでは手遅れになることもありますので、モルモットを飼うのであれば診察してくれる動物病院を見つけておいてください。
6健康診断に定期的に行くこと
自然界では、捕食される側の動物なので、症状を隠す傾向にある。(鳥やウサギと同じ)
なかなか、早期に異常を発見するのが難しい。
定期的に病院に行くことになれる(緊張して食べないけど、おやつとかあるといいかも)
7牧草をメインにすること
ペレット中心だと不正咬合という病気になりやすい
不正咬合とは、歯の噛み合わせがずれてしまう病気で、一度なってしまうと完 治が困難で生涯にわたって、治療が必要になる(歯を削る)
両方自由に食べることができる状態で与えるとペレットの方がこのむ傾向にあるので注意。
牧草は一般的にはチモシーという牧草をいつでも食べ放題、ペレットは体重 の1%程度、痩せている場合は多くても2%程度にとどめる。
8おやつの与えすぎに注意モルモットは完全草食動物
フルーツやクッキーなど糖分や炭水化物多めのおやつは肥満になりやすい
胃にガスが異常に溜まったり、腸内細菌の状態を悪くする可能性
下痢したり、食べすぎて肥満になったり
おやつの代わりに牧草やペレットなどを与えてコミュニケーションをすることをお勧め。
9体重を毎日測る
嘘をつかない健康のバロメーター。
先程の症状を隠す動物であるがゆえに、初期で異常を見つけるのが難しいけど、
体重の変動を見ることで早めに異常がわかるかも
食欲がない、食べているけど与える量が少ない、病気で消耗している場合、体重 が減少する。1週間とか短期間に普段の体重の10%以上が減少する場合は来院を検討
オスなら1.2kg、メスなら900gぐらいを超える場合は肥満の疑いあり。高カロ リなご飯の与えすぎ注意、ちゃんと運動もしてあげてね。
それでは今日のお話をまとめます!
1臆病な動物:
ストレスかけない、病気になるよ
2体の割に排泄物が多い:
こまめに衛生管理を、病気になるよ
3床を金網にしない:
骨折するよ
4ビタミンCを合成できない:
正しいご飯を与えてね、病気になるよ
5モルモットを診療可能な動物病院を探しておく:
病気だとわかっ てからだと遅いよ
6健康診断に定期的に行くこと:
症状を隠す動物、予防が第一
7牧草をメインに:
じゃないと歯のトラブルにペレットは体重の1% 程度。病気になるよ
8おやつの与えすぎダメ:
肥満の原因、病気になるよ
9体重を毎日測る:
症状を隠す動物でも唯一隠せない異常を早期に 検知せよ!運動もして肥満予防!
補足
モルモットは、日本では江戸時代からペットとして飼育されていたことが記録と して残っているくらい、昔から飼育されているペット。
すごく、人間にもなれるし、なきかたや動きなど表現も豊かですごい愛情を注が
れている方も多い。
それゆえに、その距離感が近すぎて、ストレスを与える要因になっていないかも 大切。
モルモットさんのことを思うのであれば、適度な距離感で付き合うことをお勧め
します。
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