モルモットのカイセン症と真菌性皮膚疾患

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

私は年間約600匹ほどのモルモットさんを診療しています。
今回は、痒過ぎて亡くなることがある皮膚病!?モルモットでヒトにもうつってしまうことがある 皮膚病!?についてお伝えしたいと思います。
しかも、その皮膚病はモルモットでそれなりに遭遇する機会の多いんです。
以前の動画、モルモットで多い疾患7選でも少しお伝えしましたが、もう少し詳しく知りたい方 へ、今日はモルモットで多い皮膚病2選を取り上げてみました。
今からお伝えする病気で悩まれている方、現在、治療中の方は、是非とも最後までご覧ください。

一つ目はカイセン症!カイセン症とは?

ヒゼンダニという皮膚に寄生する小さなダニの感染で起こる皮膚の病気 (動画1:ヒゼンダニの顕微鏡写真)

カイセン症の症状と検査

写真1のようなカサカサな皮膚が見られる かなり強いかゆみがある。発作のような症状が見られることもある
皮膚に穴を開けて、生活しているので、体液も吸うし、排泄もするのでそのア レルギー反応がひどい。

カイセン症の治療

ヒゼンダニをやっつけるお薬を塗るまたは注射
具体的にはイベルメクチンというお薬の注射を2-4週間に一回とかセラメクチ ンという塗るお薬を2-4週間に一回の頻度で。
たったこれだけの塗る量で全身にきいてくれるので、こっちの方が負担少ない ので当院ではこっち!(写真2)
大体1ヶ月前後で治療終了。

二つ目は真菌性皮膚疾患!真菌性皮膚疾患とは

(どんな病気か)カビの感染で毛がごそっと抜け落ちてしまう。痒みを伴う
ことはあまりない。

真菌性皮膚疾患の症状と検査

症状:脱毛、皮膚がカサカサする(写真3)(カイセン症と皮膚の病変が見た 目では似ている)、かゆみ
検査:症状と真菌培養検査(写真4)、顕微鏡で菌糸が見えることもある

真菌性皮膚疾患の治療

抗真菌剤の内服 具体的にはイトラコナゾールやフルコナゾールの内服を1ヶ月ほど。
塗り薬でも大丈夫なこともあるが、舐めてしまう場所では不向き。またかな
り広範囲に及ぶことも多いので塗るの大変。

まとめ

モルモットで多い皮膚疾患であるカイセン症と真菌性皮膚疾患について説明しました。
カイセン症とは、ヒゼンダニという皮膚に寄生する小さなダニの感染で起こる皮膚の病 気
検査は特徴的な皮膚病変とふけの顕微鏡での検査、治療はダニをやっつける塗り薬を2 週間に一回程度、合計1ヶ月前後塗る
真菌性皮膚疾患はカビの感染で毛がごそっと抜け落ちてしまう。
症状は、脱毛と皮膚のカサカサ。カイセン症と異なり、痒みを伴うことはあまりない。 検査は培養検査で確認する。
治療は抗真菌剤の内服で治療すること1ヶ月前後(結構長い!)

補足

このカイセン症という病気は一時的にヒトにも寄生し、皮膚炎を起こすことがあるので管理には注意が必
要。
同様に、真菌性皮膚疾患も、ヒトに感染することがあるので管理には注意が必要。
皮膚の異常が見られたら、なるべく早めに動物病院へ受診し、必要な検査と治療が必要。
よくある質問として、ヒトにうつってしまったらどうしたらいいですか?っていることを聞かれるんですが、 僕らが言えるのは一つ!「人間のお医者さんへ受診してください」
僕らは動物の診療は行えますが、法律上、人の診療は行えません!なので大した助言はできないので、ごめ
んなさい。
真菌性皮膚疾患では経験はしていませんが、カイセン症では強いかゆみで食欲が低下するケースがあります。 デリケートな動物なので、カイセン症が重症化したケースでは命に関わることがあるので注意が必要です。

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