モルモットで多い病気7選

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています

私は年間600匹ほどモルモットを診察します。かなり昔からかわラズ人気のあるペットかと思います。
今回の動画は病気を知ってもらい、症状が見つかったらすぐに病院に連れて行ってもらいたいと 思い作りました。
もちろん他にも病気はたくさんあります。でも、その中でも起こりやすい病気というのがありま す。異常があったらすぐに病院へ連れて行って欲しいのですが、モルモットは症状を隠す動物なの で、なるべく早期に発見できる手掛かりになればと思います。
また病気を防ぐ方法として、飼い方があります。その内容については概要欄に貼ってある「モルモ ットを飼う前に知っておくべき9つのこと」の動画をご覧ください。
それでは行ってみましょう!

1 鬱滞(うったい)

胃や腸の動きが止まってしまう病気
これが原因で亡くなってしまう、モルモットさんが多い
原因:環境の変化やストレス、繊維の少ない食事などでなる
症状:多くは「急に」食欲がなくなり、便も出なくなる
お腹が痛くでじっとして元気がない。
当院では痛み止めや点滴、胃腸の動きを改善する内服

2 不正咬合

歯の噛み合わせがずれて、頬や舌に歯が突き刺さる
とっても痛々しくかわいそうな病気です。 歯の根っこに感染が起こり、膿が溜まってくる 完治は困難。生涯にわたって治療が必要 予防は牧草中心のご飯。ペレット中心のご飯を食べているとなりやすい。 よだれが多い、歯軋りが多い、口の周りが腫れてきたら病院 正しい食事指導、伸びた歯をカットする

3 足底皮膚炎

足の裏に潰瘍ができてしまう病気
ひどいと骨までバイキンが入って感染症で大変なことになることも
原因:肥満、運動不足、硬い床材、不衛生な床
症状:足の裏がじゅくじゅくして腫れてくる、痛くてその足で着地できない
一度なってしまうと、なかなかスッキリ良くはならないことが多い
様子を見ないでこれらの症状が見られたら早めに動物病院へ。
当院では、感染予防のための抗生剤の内服とひどくならないように包帯
環境の改善、ダイエット、床を綺麗に。運動もしてね

4真菌性皮膚炎

カビの感染で毛がごそっと抜け落ちてしまう。痒みを伴うことはあまりない。
原因:環境の変化によるストレス、免疫力の低下。排泄物が多いので、不衛生な環境でも なることがある。
症状:脱毛、皮膚がカサカサする 毛がなくなっていく。飼い主さんへも感染する可能性ある こういった症状が見られたら早めに動物病院へ 当院では検査をして、カビをやっつけるお薬を飲みます。

5 卵巣嚢胞

めすで見られ卵巣に液体が溜まってポンポンになる
症状は出ないことも多く、健康診断で偶然見つかる。腰やお腹の毛が薄くなる、攻撃的になる、マウンティングをするようになったり
原因:特になし、発情を繰り返した結果なる感じ
症状:あまりパンパンになると胃などを圧迫して食欲が無くなって、その状態が続いてしまうことも
手術か、ホルモン剤の注射

6毛包上皮腫

皮膚にしこりができる(図8) 体を触っているとしこりがわかる。
原因:よくわかっていない
症状: しこりがある以外にはないこともあるが、大きくなりすぎて破裂して白いドロッとしたものが出てくることも。化膿してしまうことも。かなり広範 囲に毛と絡まってじゅくじゅくする。良性なので、手術でとって終わる。
でも、それ以外の腫瘍の事もあるのでしこりを発見したらすぐ病院へ

7乳腺腫瘍

腺にしこりができる
健康診断で偶然見つかる。腹部なのであまり触らない。男の子に多いという報告もある。意外かもしれないが、男にも乳腺がある。
原因:よくわかっていない
症状: 乳腺のしこり、乳腺から赤い分泌物が出ることも。
30-50%が悪性腫瘍というデータもある。転移することは少ないがないこともない。データが少ないの で、わからないことも多い。
悪性だと他の臓器への転移などが見られ、最終的には亡くなってしまう。
病院では手術、一択!

今日お話ししたモルモットで多い病気7選をまとめます!

1 鬱滞(うったい)
胃や腸の動きが止まってしまう病気

2 不正咬合
歯の噛み合わせがおかしくなる病気

3 足底皮膚炎
肥満や運動不足などで足の裏がじゅくじゅく

4 真菌性皮膚炎
ストレスなどで起こるカビの皮膚炎

5 卵巣嚢胞
卵巣に液体がたまる

6毛包上皮腫
良性の腫瘍、おっきなしこりができても慌てずに

7乳腺腫瘍
乳腺にしこり、オスでも見られる、悪性のこともあるよ

補足

モルモットさんは臆病な動物。鬱滞、真菌性皮膚炎などストレスで病気になりやすい
売っているご飯やおやつが必ずしもモルモットにとっていいものではない。病気を引 き起こす原因かも。僕らと違う草食動物ということを理解してね。
飼育環境が原因で起こる病気もあったと思います。モルモットさんにあった衛生的な
環境を提供してあげてね。
環境の変化に慣れてくれるように。適度な運動も
不正咬合は予防が第一!一度なってしまうと手遅れまたは、生涯にわたって治療が必
要なことも。チモシーなど牧草を中心とした適切なご飯を与えること。

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