ボールパイソンを飼う前に知って おくべき7つのこと

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

ボールパイソン、初めて聞く名前の動物さんって方もいらっしゃると思いますので、少し説明しますね。
ボールパイソンは、蛇の仲間で、ニシキヘビを小さくしたものって感じでしょうか。私も現在、飼っています。とても大人しく、可愛いです。
蛇全般での飼い方についてお話ししたいのですが、なかなか難しいです。やはり種類ごとに生体が変わりますので、蛇全般ではなく今回はボールパイソ ンについてのお話になります。
それでも120cmは超えてきたりするので、その中でも小型のものって感じでしょうか。 アフリカ大陸に広く生息する蛇さんで、そのほとんどが繁殖された個体です。 とても温厚で基本的には噛み付いたりすることはありません、毒もありません。ペットとしての蛇では一番有名な蛇さんの一つかなと思います。 しかしながら、間違った飼育方法で病気になってしまうヘびさんが後を立ちません。今回は、その辺りも踏まえて、お話ししていきたいと思います。 知っているだけでも、予防できる病気があります。 これから、ボールパイソンさんをお迎えしようと思っていらっしゃる方、すでに飼育されている方は是非とも最後までご覧ください。

1。脱走の名手

扉を閉めたつもりが、隙間から脱走することがよくあります。
かくゆう僕も、何度も脱走されました(^_^;)
ロックできるタイプのケージがいいかも。
脱走すると、寒いところで過ごすことになったりして、体調を崩すリすくあり。
脱走したら、大抵は、薄暗い隙間に隠れているのでその辺りを探すといいと思います。
外に逃げられるとご想像の通り大変です。お気をつけください。

2。餌は(冷凍)マウス

この動物は、完全に肉食動物です!他の動物のように人工飼料はありません!
ちなみに、マウスなどの小動物を食べます。体長が大きくなるに連れて、その分ご飯も 大きくなります。実際に、ペットとしてご飯を与える場合は、冷凍されたマウスを解凍 して食べさせます。
なので、冷凍マウスを解凍して与えることに強い抵抗がある場合は、この動物は飼うの が難しいかもしれません・・・
また、一般家庭の冷蔵庫に、僕らが食べる食品と一緒に冷凍こに入れるとトラブルにな ることが多いので、注意が必要です(ダメではないのでご家族の理解が必要)。または 別の冷蔵庫を用意するかです

3。体が浸かる深さの水入れが必要

お風呂みたいなイメージでしょうか。いつも入っているわけではありませんが、 気がつくと知らないうちに入っていたりします。
そこで水を飲んだり、脱皮の時に、皮がふやけたりするために有効だったります。
この水がないと、脱水したり、体調崩したりするので生きていくために必須で す。必ずご準備ください。
具体的には、タッパとか代用すると安価で管理がしやすいかなと思います。浸か っても倒れない安定した容器を用意してあげてください。

4。湿度管理が必要

湿度を最低でも50%以上を維持するように飼育する方がいい。 じゃないと、この動物で多い、呼吸器の感染症や、脱皮不全になりやすい。 なってしまうと、なかなか治療が難しい場合もあります。予防が第一です。 霧吹きや、加湿器などを利用して湿度をキープしてあげてください。 爬虫類は湿度管理が大切です。

5 温度管理をする

爬虫類全般と言っても過言ではないかもしれません。
へびも同じく、保温が必要な動物です。爬虫類は外気温に依存して代謝を回す動物でして、僕らみたいに温度を一 定に保つことができる動物ではありません。
外気温が低下すると、その分代謝が下がり、弱ってしまいます。
冒頭にもあった通り、アフリカ大陸に生息するへびさんで赤道の付近にいますので、イメージにある通りあったか いところに生息しています。
と言っても、普段は小動物が掘った地面にある巣穴に潜んでいたりするので、そこまで熱いのが好きかというとそ うではないと思います。
大体28度前後をキープして、暑くても30度超えないようにしてあげてください。 爬虫類専用の温度管理もありますのでペットショップで探してあげてください。

6 爬虫類を診察可能な動物病院を見つけておく

獣医大学では爬虫類の病気の勉強は微塵もしない! 私は未経験から始まりましたが、毎日毎日診察して、たくさんの医学書を読み、経験を積んで今に至ります。
多くの動物病院は犬と猫のみのところが多いです。そう言った動物病院に受診することは、人間で言う産婦人 科の先生のところに「歯が痛くて」と言って受診するようなもの。見れなくはないかもしれないけど、検査 や治療に必要な道具も経験も不足しています。
病気になってからでは手遅れになることもありますので、ボールパイソンさんを飼うのであれば診察してくれ る動物病院を見つけておいてください。
蛇さんの種類によって病気なども変わりますので、お気をつけください。
また、定期的に体重を測定して記録をつけておくと、病気を早期に発見できたり、獣医さんにとって有益な 情報になることもあります。

7。隠れる場所必要

この動物は、とても臆病な動物で、小動物が掘った巣穴な度に潜んで、獲物を待ち伏 せしています。
僕らが触ろうとすると、頭から丸まってしまいます。 この名前の通り、ボールのように丸くなって防御姿勢をとります。 なので、あまり過度なハンドリングはせず。隠れる場所を用意してあげてください。
みなさんが思っているような危険な蛇さんのイメージと違いおとなしいので、大切に してあげてください。

まとめ

1 脱走の名手:
ちゃんと閉めないと脱走するよ。

2。ご飯はマウス!:
今では冷凍した専用のご飯があるけど、そこを 許容できないと飼育は難しいかも

3 体が浸かる深さの水いれが必要:
全身を水に浸かって水分補給するよ。ないと脱水したり脱皮不全になったりするよ。

4。湿度管理が必要:
50%以上をキープしてね。じゃないと呼吸器の 病気や脱皮不全になりやすい。

5。 温度管理をする
大体28度ぐらい。外の温度によって代謝が変 わる動物

6 爬虫類が診察可能な動物病院を見つけておく
ほとんどの動物病院は犬と猫しか見てくれない

7 隠れる場所必要:
とても臆病な動物で地面に潜っていたりするよ。

補足

残念ながら、このボールパイソンさんでも病気として多いのは、飼育環境の問題でなってしまう病気です。 爬虫類は1にも2にも、温度管理と言われています。それとともに重要なのは、種類にもよりますが、湿度の管理です。
今回のボールパイソンという種類は、この辺りがうまくいかないとならなくてもいい病気なってしまう危険性がありま す。
特に半年未満の若い個体は十分な体力もないので、こういった病気になってしまうと、なかなかリカバリーが困難です。 こう言った動物は特に、予防が大切です。
ボールパイソンさんはそのカラーバリエーションが豊富で、それゆえに多頭飼育してコレクションされる方もいらっしゃ います。それにたいして、単独飼育または少数飼育で、その1匹を家族のように大切にされる方もいらっしゃいます。
昔は、マニアがコレクションするような動物だったのですが、今では小さな子供から、女性やご高齢の方までとても大切 に家族として一緒に過ごされる姿を見て、なんとなく不思議な感じもします。