まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
私は年間約500匹ほどトカゲさんを診療しています。
その中でもここ数年で、ペットとしての地位を確立したトカゲとしてヒョウモントカゲモドキ、の他にフトアゴヒ ゲトカゲさんがいます。
トゲトゲしていて恐竜みたいなのですが、とっってもおとなしくて、可愛らしいです。穏やかですしね。 このご時世、外出の機会が減ってしまって、そのかわりにペットをお迎えする方が増えています。
しかしながら、わんちゃん、猫ちゃんだとアレルギーの問題や、匂いや、部屋を汚してしまうなどの問題で飼えな い方もいらっしゃいますが、フトアゴヒゲトカゲさんならその点は大丈夫。
でも、間違った飼い方が原因で病気になってしまうことも少なくありません。フトアゴヒゲトカゲさんをペットと して飼育されていらっしゃる方は是非とも最後までご覧ください。
1 イエローファンガス病
カビの感染で皮膚がボロボロに(写真1)
【原因】 クリソスポリウムというカビが皮膚に感染して起こる 【症状】
皮膚の色が黄色になる。 皮膚がカサカサしてくる 部分的に脱皮不全が起こる (どうなる?)
【治療】 抗真菌剤の内服または塗布で約1ヶ月ぐらい
2 代謝性骨疾患
(どんな病気か)カルシウムが不足して起こる病気 【原因】
カルシウムを添加していない食事。紫外線不足。特にカルシウムが要求される成長期やメスで産卵時に症 状が出ることが多い。腎臓が悪い場合も起こる
【症状】
骨の変形(四肢、背骨、あご)(図5)骨折することも元気食欲低下、ひどいと痙攣、なくなってしまう ことも
【治療】 カルシウムの添加、紫外線浴びる、ビタミンDの摂取。
3 便秘
(どんな病気か)長期間うんちが出なくなる。 • 【原因】
砂などの床材を誤って食べてしまう。
脱水
尿酸の塊がお尻に詰まってしまう(脱水が関連)
【症状】ご飯食べない。便が出ない、お腹が膨れている (どうなる?)
【治療】
お尻に尿酸が詰まっていれば取り除く
浣腸。
食べた砂の量が少なければ水分摂取で排泄されることも。 • それでもダメなら、手術
4 卵胞鬱滞(らんぽううったい)
(どんな病気か)メス限定の病気。卵巣に卵のもとなるものができて、それが
排卵されずそのままになってしまう
【原因】不明。ストレスなどによるホルモン異常など?
【症状】何もない場合も。元気はあるけど食欲低下から廃絶。感染を起こした
り、ねじれたり、変なところに排卵すると状態が悪くなり、急変することも
【治療】ホルモン剤の投与、卵巣摘出手術
5。高尿酸血症
どんな病気か)尿酸が排泄されずに溜まってしまう。
【症状】
成長不良
元気食欲の低下
痙攣
【原因】
遺伝的なもの?、脱水、高タンパク食食べすぎ?
【治療】 尿酸の合成を邪魔して、排泄を促すような内服をする。アロプリノールとか点滴とか。脱水しないように水飲み場を設置。
補足
やはり、フトアゴヒゲトカゲさんの病気も、飼育環境の問題で起こる病気が多かったのではな いでしょうか。今回はあげませんでしたが、火傷とかもあります。代謝性骨疾患、便秘とか、 脱水による高尿酸血症とか、自然界では発生しない、人為的に作っている病気が残念ながら見 られます。しかも、なってしまうと完治が厳しいこともある病気です。
この辺りの予防に関しては、合わせて、フトアゴヒゲトカゲを飼う前に知っておくべき8選をご 覧いただければと思います。概要欄にURL貼っておきますね。
これも今回、挙げませんでしたが、肥満も多いです。脂肪肝からの肝不全もありますので、ご飯 の与えすぎにご注意くださいね。アゴヒゲトカゲは雑食なので、野菜も昆虫も両方食べます。昆 虫の方が美味しい!ってなるのか、コオロギとか見つけたら目の色変えて飛びついてきますよ ね。でも、成長期が終わったら、昆虫は少なく、基本は野菜中心のご飯をお勧めします。
まとめ
1イエローファンガス病:カビの感染による皮膚疾患。症状が出たらすぐに病 院へ
2代謝性骨疾患:カルシウムをとって、紫外線を浴びてね 3便秘:脱水などが原因。乾燥しすぎに注意。 4卵胞鬱滞:メスでお腹膨らんできてご飯食べなくなったら注意 5高尿酸血症:
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