まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
私はフクロモモンガを年間600匹ほど診察します。ここ最近、人気が爆発しているペットかと思います。
意外かもしれませんが、フクロモモンガもそれなりに病気になってしまいます。
フクロモモンガの病気や怪我は知っているだけで防げるものもあります。ならなくていい病気になって欲しくない。
また、ペットとしてお迎えしたけど、こんなはずじゃなかったから、誰かもらってくれませ んか?というのもなるべくなくしたい。
そういう思いをこめて今日は可愛いフクロモモンガさんのためにも飼っているあなた、これ から飼おうかなと思っているあなたにぜひ知っていてもらいたい7つのことをお話ししたいと思います。
1それなりに臭い
幼少期はそんなに臭くないのですが、大人になると臭くなる(独特な匂いがする)
額や胸に臭腺という匂いを出すところがあり、縄張りに匂いづけする。
以前、フクロモモンガを飼いたいけど、この匂いをなくす処置をしてほしいという問い合わせがありましたが、それなら臭くない動物をお迎えしてくださいと、お断りしたことがありました。
2爪が鋭い
ペットを飼う目的はやはり触れ合いをあげる人が多いとは思いますが・・・
フクロモモンガを飼って、ハンドリングしている飼い主さんの手はフクロモモ ンガの爪が何度も突き刺さって赤くなっているのが特徴です
フクロモモンガはそれなりになれるけど、素手でハンドリングするとそれなりに出血するほど噛まれたり、針で何度も皮膚を突き刺すような生傷が絶えない。
爪切りはなかなか自分でするのは大変かも・・・
その辺りも覚悟してペットとしてお迎えした方がいいかも。
3フクロモモンガを診察可能な動物病院を見つけておく
獣医大学ではフクロモモンガの病気の勉強は微塵もしない!
私は未経験から始まりましたが、毎日毎日診察して、たくさんの医学書を読み、経験を 積んで今に至ります。今では年間600匹ほど診察するほどになりました。
多くの動物病院は犬と猫のみのところが多いです。そう言った動物病院に受診すること は、人間で言う産婦人科の先生のところに「歯が痛くて」と言って受診するようなもの。見れなくはないかもしれないけど、検査や治療に必要な道具も経験も不足しています。
病気になってからでは手遅れになることもありますので、フクロモモンガを飼うのであ れば診察してくれる動物病院を見つけておいてください。
4 偏食がひどい
なんでも与えないこと。特に甘いもの。
シュガーグライダーという英名ではあるが、甘いものを与えると本来食べてほしいご飯を食べなくなる
そうすると栄養失調に。
一度、偏食すると元に戻すのがかなり難しい。
5 健康診断に定期的に行くこと
定期的に病院に行くことになれる
栄養失調になっていないか確認
6 温度管理
24ー27度ぐらい、温度管理が必要。
21度以下で休眠状態になることも。
7 夜行性であることを理解してあげる
夜行性なので昼間は寝ています。触らないであげてください。 ご飯も与える必要はない(夜間にしっかり食べ切れる量を与える) その動物にあった生活にしないとストレスで病気の原因にも。
8餌を撒き散らかす
柔らかいご飯はそのまま食べてしまうけど、その中でも硬い部分や、繊維が 多いような食べづらいものは中身だけ吸って、ポイって捨ててしまう。
ケージの周りに食べカスがこびりつく。
餌を食べる場所の周辺を何かで覆うか、汚れても掃除ができる場所にケージを設置する。
9隠れる場所が必要
フクロモモンガというだけあって、袋状の周りが囲まれて暗い場所を好んで寝 床とする。安心していられる場所を提供してあげる必要がある
その際に繊維状のポーチを使用される方が多い。(でも一部引っかかったりトラブルも)
鳥の巣のような木で作られたものの方が安全かも。(でもかじって壊したりする)
それでは今日のお話をまとめます!
1それなりに臭い
2 爪が鋭い
3 フクロモモンガが診察可能な動物病院を見つけてお く
4 偏食がひどい
5 健康診断に定期的に行くこと
6 温度管理
7 夜行性であることを理解してあげる 8餌を撒き散らかす
9隠れる場所が必要
補足
今回は7つのこと、なのでここではお伝え出来なかったいくつかを補足させていただこうと 思います。
オスは自咬症という自分で自分の体をかじってしまう病気になるリスクがメスより多いよ うに思います。この病気はフクロモモンガで非常に多い病気でかなり問題となっていま す。その背景として単独飼育による性的ストレスが言われています。なので、オスを飼う時 は注意が必要かもしれません。(詳細は次回のYouTubeで)
隠れるためのポーチを入れるのが一般的ですが、引っかかって怪我をするケースも時々見 られます。本来は自分で取り外すことができることが多いのですが、栄養失調になってい たりする個体ではトラブルに発展することも。繊維状のものはダメとは言いませんが、注 意が必要です。
YouTubeチャンネルでは動物の様々な病気や飼い方についてのことを伝えています。あなたがペットを飼っているのであれば、ぜひチャンネル登録してくださいね。動画でもご覧ください!ありがとうございまいした~安田でした~