まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
今日はフェレットを飼う前に知っておくべき9つのことということでお話しさせていただきます。
みなさん、フェレットという動物を知らない方は少ないのかなと思います。
日本にペットとして入ってきたのは1993年ぐらいと言われていますが、それでもペットとして定着したのは犬や猫と比較するとま だまだ歴史が浅いペットです。
私も、10年以上前になりますが、フェレットを飼っていました。
一時期に比べると、フェレットをペットとしてお迎えされる方は少なくなりましたが、決して珍しいペットではなく、ペットショッ プで普通に出会うことができます。
他のエキゾチックアニマルと比べると歴史はある方で、ちゃんとした飼育方法に関する情報がありますが、その中で獣医師の立場 からお伝えしたい、内容を9つだけ厳選してお伝えしたいと思います。
これからフェレットを飼おうかなと思っていらっしゃる方、すでに飼育されている方も是非とも最後までご覧ください。
1。それなりに臭い
チンチラやうさぎ、猫など、ほぼ、全くと言っていいほど体臭がしない動物と比較するとフェレットは匂いがしま す。
独特な匂いです。お尻から凶器とも言える臭い匂いを出す「臭腺」を除去してあるけど、それでも匂います。
フェレット好きにはたまらない匂いなのかもしれませんが、個人的には、また嗅ぎたくなるような、いい匂いでは ないと思っています。
やはり、一緒の部屋で生活していると、衣服に匂いがうつってしまうと思います。 シャンプーすれば一時的に匂いは無くなりますが、1週間もたたずに元の匂いがしてくると思います。 幼少期は、そこまで気にならないのですが、大人になるにつれてそれなりに匂いがします。
お迎えした後で、そんなはずじゃなかったとならないように、ずっと一緒に過ごしていく家族になるので、事前に 匂いを確認しておくといいと思います。
2。いたずら好き
けっこう、やんちゃです! なんでも奪っていったり、グチャグチャに壊したり。
戯れてかんだり 性格もあるかもしれませんが、メスの方がヤンチャかもって言われています。
幼少期は特に、食べてはまずいもの、腸閉塞を起こしたり、中毒を起こす危 険性のあるものを食べることがあるので注意が必要です。
3。収集好き
自分が獲得したものを自分の隠れ家に隠してしまう。
ご飯とか、小物類とか
隠れ家を掃除すると「これ、いつのご飯?」みたいなことが起こるので、定
期的にチェックを。
なくしたら困るもの、小さいものは、部屋を散歩するときに手の届くところ
に置かないこと
4 寿命は6ー8年
10年超えるフェレットさんもいますが、大体これぐらい。
3歳半を超えるとそれなりにいいおとし。見た目にはあまり変わらず、元気な 子が多いけど、少しずついろんな病気も増えてくるよ
フェレットで特に多い3大疾患というのがあって、リンパ腫、副腎疾患、イン スリノーマというのがあります。
なりやすい病気に関しては、また次回お送りしたいと思います。
5 最初から避妊、去勢手術が終わっている
日本のペットショップいるフェレットはほぼ全て最初から避妊去勢手術がされていま す。
というのも、大人になると性ホルモンによって攻撃的になったり、女の子では女性ホ ルモンが出過ぎて、病気になったりするので、そういった問題の予防のためにあらか じめ中性化されています。
また、この手術のおかげで生殖器の病気(卵巣や精巣の腫瘍など)が起こりません。
繁殖を希望される方がいらっしゃるかもしれませんが、フェレットの繁殖は日本では
厳しいかもしれません。
6。耳掃除は不要
ペットショップでフェレットの日常のお手入れとして耳掃除をしてください、みたいなことをアドバイスされ ることが一般的かもしれませんが、基本的には必要ないと、私は思います。
フェレットの祖先と言われているヨーロッパケナガイタチが耳掃除を誰もしてくれないせいで耳の病気になっ ていることはないと思います。
正常でも、茶色い耳垢は出てきます。気になるかもしれませんが、とる必要はありません。
それどころか、耳掃除しすぎて、耳の粘膜を傷つけて、外耳炎という耳のびょう気になっているフェレットさ んがちょこちょこ来院されます。
耳掃除はしないでください、というと、勝手に治ったり
耳ダニという治療が必要な病気で耳垢が多かったり、掻いていたりすることがあるので、そういった症状が ある場合は動物病院へ
7。 フィラリア症の予防が必要
みなさん、フィラリア症ってご存知でしょうか?
フィラリアとは「犬糸状虫」というそうめんのように細長い寄生虫のことで、蚊に刺されると感染してしま います。
感染したのを知らずに放置してしまうと、約半年で心臓の中にフィラリアが寄生して、最終的に亡くなってし まいます。
犬の感染症と思われがちですが、予防しないとフェレットにも感染してしまいます。
外出することなく、家の中にしかいないから予防しなくていいと思っていらっしゃる方もいらっしゃいます が、家の中に絶対に蚊が侵入することないのならいいのですが、そんなことない環境にいる方がほとんどか と思いますので予防をお勧めします。
予防は、蚊の発生する時期に予防薬を使って予防していきますが、予防期間は地域によって異なります。
8。ワクチン接種をお勧め
フェレット用のワクチンはないけど、犬用のワクチンが効果があるとされてい る。
効能外使用になるけど、ジステンパーウイルスという感染すると亡くなってし まう可能性の高い感染症になるリスクを天秤にかけると、接種をお勧めして います。
9。フェレットを見てくれる動物病院を探しておく
獣医大学ではフェレットの病気の勉強は微塵もしない!
多くの動物病院は犬と猫のみのところが多いです。そう言った動物病院に受診すること は、人間で言う産婦人科の先生のところに「歯が痛くて」と言って受診するようなも の。見れなくはないかもしれないけど、検査や治療に必要な道具も経験も不足していま す。
病気になってからでは手遅れになることもありますので、フェレットさんを飼うのであ れば診察してくれる動物病院を見つけておいてください。
他のエキゾチックペットと比較すると、犬や猫に似ている点も多いので、爬虫類や鳥類 と比べると、まだ普通の診療をしてくれる動物病院も多いと思います。
まとめ
1。それなりに臭い:臭腺は除去されているけど、体臭が・・・ 2。いたずら好き:誤嚥注意 3。収集好き:食べ物や小物をどこかに隠す癖があるよ 4。寿命は6-8年:3年半超えるといろんな病気になること多いよ。3大 疾患、リンパ腫、副腎疾患、インスリノーマとか。 5。最初から避妊・去勢手術が終わっている:繁殖を期待できないよ。 そのかわり生殖器に関連した病気はならないよ。 6。耳掃除は不要:し過ぎると外耳炎になるよ。汚い時は病院で診ても らって。 7。フィラリアの予防が必要:家でも蚊に刺されるので予防おすすめ 8。ワクチン接種をお勧め:でも犬用のだよ 9。フェレットを診てくれる動物病院を探しておく:今回に限っては犬 や猫を一般的に診てくれる動物病院でも大丈夫なことも多い
補足
ペットとして飼いやすくするために、臭腺の除去と避妊去勢手術をしてあり ますが、それによる弊害も実はあると言われています。
幼少期に避妊・去勢手術をするせいなどで、性ホルモンのバランスが崩れて副 腎疾患になると言われています。
ペットとして人との良好な関係性を築くためには必要な処置でもあるし、そ れによって生殖器腫瘍など病気の予防というメリットも得られるので、こうい った背景があるのがわかっていても必要なことなのかなと思います。
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