フェレットで多い病気 3 選

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

今日は「フェレットで多い病気 3 選」ということでお話しさせていただきま す。
私も、 10 年以上前になりますが、フェレットを飼っていました。高齢にな るに連れて飼っていたフェレットさんは今回お伝えする病気のうちの二つが 合併してしまいました。予防はできない病気です。
しかしながら、これらの病気について知っておくだけで早めに症状を察知す
ることができるかもしれません。
そうすると、早めに治療を開始することができるかもしれません。手遅れに
なる前に、してあげられることが見つかるかもしれません。

1 。副腎疾患

腎臓の近くにある副腎という臓器が腫れる病気。性ホルモンが過剰に分泌さ
れていろんな症状が出る
【原因】
不明、でも早期の中性化手術(避妊・去勢手術)が原因の背景にあると言わ
れている
【症状】
一番多い症状は脱毛( 60 %以上)全身に及ぶものが半分以上、尻尾のみ 21 %、下半身のみ 18 %、次に多く見られるのはメスでは陰部腫れる(雌の 47 %)、雄では前立腺腫れて尿が出にくい(雄の 27 %)など

2 。インスリノーマ

膵臓の腫瘍の一つ。インスリンという血糖値を下げるホルモンが出過ぎて低
血糖を起こす
【症状】
低血糖に伴う症状:元気ない、食欲ない、ぐったりが一番多い症状、よだれ
多い、前足で口の周りを引っ掻く、後ろ足ふらつくがそれに次ぐ、ひどいと
痙攣したり、奇声を発したりする。
【原因】
不明、老化?北米のフェレット牧場由来で発生が多いので遺伝的な背景があ
るかも?
【治療】
手術で膵臓の腫瘍を部分的に切除(全部は取りきれない)

3 。リンパ腫

血液を作る細胞の悪性腫瘍の一つ。
【症状】
型がいくつかあって、その型によって症状はまちまち。またステージよって
もまちまち
多中心型( 4 歳以下に多い)というのと、消化器型( 4 歳以上に多い)とい うのが日本では多いとされている。他にも前縦隔型や節外型、皮膚型などが ある
多中心型はあちこちのリンパ節というのが腫れてなんとなく元気ない、食欲
ないとか。消化器型は吐いたり下痢したり。全縦隔型では呼吸が苦しそう
(胸水が溜まってしまうので)節外型では目がぽんぽんに腫れるとか。

フェレットで多い病気 3 選のまとめ

1 。副腎疾患:症状としては皮膚が脱毛、治 療は手術かホルモン剤注射
2 。インスリノーマ:低血糖を起こす腫瘍、 3 。リンパ腫:血液の癌の一つ、型によって 症状が異なる。抗がん剤が効くかも

補足

フェレットではこれらの 3 つ腫瘍で全腫瘍の 60 %を占める。 一番多いのはインスリノーマで 22 %、次は副腎疾患で 21.9 %、リンパ腫
16.1 %
これらの病気はいずれも高齢で発生することから、手術に踏み切るのがなか
なか難しいことも多い。心臓の病気があったり、全身状態が悪かったり。抗
がん剤に関しても選択の是非に関しては同じかなと。
平均的な寿命が 6−8 歳であるので、 6 歳を超えて病気がわかってもあまり負 担をかけないでそのまま様子を見る選択肢もあっていいと思うし、実際そう いったなるべくリスクを取らなくても大丈夫で、痛みなど負担の少ない治療 を選択される方が多い。

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