まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
1。 カイセン症
【どんな病気か一言で】
皮膚や針がボロボロに抜けてくる病気
【症状】
ふけがすごい!痒みもひどい!針が抜けてくる。ひどいと、ハリネズミなのに、背中の針がなくなっているハリネズミさんもいます
【原因】
ヒゼンダニというダニが寄生して起こります。ブリーダーさんやペットショップで感染してしまう。来院されるハリネズミの半分ぐらいは 疥癬症でしたが、最近はかなり減ってきました。
【治療】 セラメクチンというお薬を背中に塗るだけ。皮膚から吸収して、全身に。大体1-2週間に一回、合計2-4回ほど塗ります。
【その他】
同居のハリネズミさんにうつってしまうので、治療が終了するまで接触しない。
2。皮膚真菌症
【どんな病気か一言で】
皮膚がカサカサして針が抜けてくる病気
【症状】
カイセン症ほどではないが、痒みとフケと針が抜けてきます。
【原因】
白癬菌というカビの感染。それ以外のカビでも起こる。
【治療】
抗真菌剤の内服を行います。塗り薬は針が邪魔してうまく塗ることはできません。
【その他】 人にも感染することを報告されているので、触れ合ったら、ちゃんと手を洗ったりなどのうつらないように気をつけて
3。ドライスキン
【どんな病気か一言で】
皮膚がカサカサ
【症状】 針が抜けることはないけど、皮膚がカサカサ。カイセンほどひどくないけど痒みもある。
【原因】
栄養の過不足など
【治療】
保湿剤を塗ったり、ビタミン剤の内服
今日お話ししたハリネズミで針が抜けちゃう病気3選をまとめます
1。 カイセン症 ダニの感染で起こる皮膚病3つの中 で一番痒みとふけひどい。セラメクチンというお薬を 塗れば治る 2。皮膚真菌症 白癬菌などのカビの感染による皮膚 感染症。イトラコナゾールなどの抗真菌剤の内服。 3。ドライスキン 皮膚の乾燥が原因。栄養の過不足 などが原因かも。治療は保湿剤やビタミン剤の内服
補足
正常でも多少は針は抜けます。
カイセン症が減ってきた理由としては、おそらく、ペットショップなどで入ってきてすぐに駆虫 剤を使用するようになっている背景があるのかなと思っています。
皮膚真菌症に関して、背景として言われているのが、免疫力の低下です。何からのストレスがか かっているせいで免疫力が低下して感染を許してしまう状況になっているのかもしれません。
ドライスキンの背景としては、お湯でふやかしたご飯を、湯切りして与えることにあるかも。熱 湯でビタミンは壊れて、さらに湯切りでビタミンなどの栄養分ごと捨ててしまって、残ったもの を与えている場合があるので、その辺り注意でしょうか。ふやかしたご飯は歯石の原因、弱い 歯を作ってしまう原因になったりするのでお勧めしません。
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