ハムスターの爪切りの秘密!

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

私は年間約1000匹ほどのハムスターさんの診療をしています。
ハムスターという動物を知らない人はいないくらいメジャーなペットですよね。
ペットの入門種として、小さなお子さんが初めてペットをお迎えする際に選ばれやすいペットでもありま す。
小さなお子さんから、年配の方まで幅広く愛されているペットの1種ではないかと思います。 今回はハムスターさんの爪切りの秘密ということでお話ししていきたいと思います。
ハムスターさんを飼育されているかた、これからハムスターさんを飼いたいと思っている方は是非とも最後までご覧ください。

爪切りの必要性について

なぜ、ハムスターさんの爪切りをしなければならないのか? 1。爪が伸びると飼育環境にあるいろんなものに引っかかってしまって危険!
→飼育環境には毛布とかケージ外をお散歩するときに繊維状のものに引っか
かってしまうことも。場合によっては無理矢理取ろうとして爪の根本から折れ
て出血するかも
そういうのを防ぐ目的で爪を適切な長さにキープする

自然界のハムスターさんは爪切りはしない!

なんと、自然界のハムスターさんは誰かが密かに爪切りをしてくれているわけ ではない!
ご飯を食べに出かけたり、おうちに帰ってくる過程で自然と爪がちょうどい
い長さに削れてくれる
夜行性の動物なんですが、一晩で10ー20キロも移動するとも言われている。 (ハムスターより大きな人間ですら、そんなに毎日歩けない・・・)

先生、うちの子の爪切りもお願いできますか?

ハムスターさんの爪切りをすることが、さも、他の動物と同じように普通の
ことのように依頼されることがありますが、これは普通ではない!
ハムスターさん診察は日々ありますが、爪切りが必要となるケースは月に2、 3件程度。年間にして数十匹程度。
他の動物種と比較しても、爪切りが必要になるケースはほとんどないのが現 状!

なぜ、爪が伸びてしまうのか?

爪切りにくる子のほとんどが丸い子 つまり原因で一番多いのは肥満です。肥満に限らず動かないからが原因です。 例外はありますが、大抵の爪切りが必要になるハムスターさんは太っています。
どうして太っているハムスターさんで爪切りが必要になるか、もう、お分かりになりましたよ ね・・・人間でもそうであるかもしれませんが、太ってしまうと運動をする機会や時間が減少して しまいます。
運動するとしんどいからですよね。太っていくにつれて運動すると辛くなることが学習によって定 着して、運動しなくなってしまう。
そうすると、なおさら太りやすくなる・・・悪循環ですよね。

でも、仕方のないというか必要な爪切りもある!

こういうパターンの爪切りは必要です 1。老化に伴う活動量の低下(老齢性関節炎とかも) 2。病気でからの自由が奪われてしまった(あまり動けない)

病気じゃないのに爪が伸びる解決策

ダイエットになるんですが、これ自体はなかなかにボリュームありそうなの で、また何かに機会にお伝えしたいと思います。

まとめ

ハムスターさんは爪切りは基本的に必要になることはない
爪切りしないといけない場合、何か問題がある!
爪が伸びる原因は動かないこと!その動かない一番の原因は「肥満」
でも、爪切りが必要なケースもあるよ。例えば、老化、と病気でなど動けな い場合。

補足

これは個人的に思うことですが・・・ いろんな動物の爪切りをしてみて、その中でもベスト5に入るぐらい、爪切りがやりにくい!時間もかかる。
人間の赤ちゃんの爪切り(伸びすぎて顔とか引っ掻くのを防ぐ)の3倍は大変。(感覚的なところで、科学的に根拠はな い)
冗談抜きで、あの小さい動物の、微妙な動きに合わせて爪を切るのは大変であり、間違って指を切らないか緊張していま す。あとは無理に抑えてしまうと、ハムスターさん的には「殺されるー!?みたいな感じ、進撃の巨人状態ですよね」そこ をさらに無理に抑えると骨折や脱臼しないか・・・安全のためにはがっちり持たないとだけど、それをしすぎると、骨折や 脱臼や窒息などのリスクが高くなる。そういったバランスを調整しながら爪切りをしている。全身麻酔すれば簡単だけど、 そこまでして爪切りって希望する方はあまりいらっしゃらない・・・
肥満の予防に関しては、要点だけ伝えるなら、ひまわりの種など高脂肪食は控えるか特別ご褒美。あとは体重を測ること。 ジャンガリアンなら45g前後、ゴールデンなら100g前後。これを目標に体重を管理していくのが一つ。人間みたいに運動 を強制するのはできない(太ってきたらか、食事制限しようとか、太ってきたから今日は階段登ろう)。環境を作るだけ。

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