デグーを飼う前に知っておくべき 9つのこと

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
今日はデグーを飼う前に知っておくべき9つのことということでお話しさせていただきます。
みなさん、デグーという動物をご存知でしょうか?
日本にペットとして入ってきたのは1990年ぐらいと言われていますが、2000年以降に一般的に流通しペットとして の地位を確立してきた比較的新しいペットです。
ここ数年では、毎日来院される飼い主さんが増えてきています。海外では一般的な飼育書がありますが、日本では本 当にここ最近日本で初めての飼育書が発売されたぐらい、あまりちゃんとした情報がないのが現状です。
間違っている情報が、ウェブ上にあったりしますので、現段階でわかっている飼育に関してこれだけは知って置いて 欲しい内容9つをお伝えしたいと思います。
これからデグーを飼おうかなと思っていらっしゃる方、すでに飼育されている方も是非とも最後までご覧ください。

1。完全草食動物であること

時々、ハムスターのご飯を与えている場合がありますが、同じ齧歯類でも食べているもの
が違うので注意。
フルーツ、おやつ、ハムスターのご飯ではナッツ類、とうもろこし、ひまわりの種がよく ない。
ハムスターは同じ齧歯類でも雑食寄りの草食動物なので、種子類も食べるし、くもなどの 昆虫を含む動物性タンパク質もとります。
デグーはモルモットやチンチラに近い完全な草食動物なので本当に草を中心に与えてね。 高カロリーでもあるし、体調を崩す原因になります。

2。牧草を与えること

先ほどにもあるように、完全草食動物なので、牧草を中心のご飯を与えてね。
したがって、デグー本来の食性を考えたとき、草を、一般的に流通しているもので言えばチモシーを中心に与 えてください。
牧草を与えないと、不正咬合という歯の噛み合わせが悪いという病気になってしまいます。
ハムスターは前歯は生涯伸び続けますが、奥歯は伸びない。それに対して、デグーは前ばも奥歯も生涯伸び続 けます。
これはチンチラやうさぎ、モルモットと同様に、草を奥歯(臼歯:臼のような歯とかきます)ですり潰して 食べるため、すり減ることを前提になっている。
専用のペレットも販売されていますが、少なめに5-10%程度と記載があったりしますが、個人的には1%以 下でもいいと思っています。この理由に関しては補足でお伝えしたいと思います

3 寿命は7ー10年

同じような体重の齧歯類としてゴールデンハムスターがありますが、寿命が大 体3年です。
それと比較すると、その倍以上生きる動物ってことになります。
かなり、頭がよく社会性も高い動物として知られています。いろんな芸を覚え たりもします。
単独飼育だと、ストレスもあるので、7年以上一緒に、愛情を注いであげられ るかどうか考えてお迎えできるかが大事かも

4 温度管理が必要

大体25度前後、湿度は50%前後が快適に過ごせる環境。 適正温度で過ごさないとやはり体調を崩してしまいます。
デグーさんは暑いとか、寒いとは言いませんが、適正温度で飼育してあげないとかわいそ うですね。
野生のデグーは標高1200mのところに生息しているけど、寒い季節は集団で寄り添って過 ごし、30度を超える環境では巣穴など涼しいところで過ごしている。
なので、暑すぎるのも、寒すぎるのも苦手。
自宅での温度管理としてはエアコンで管理するのが無難。

5。群れで生活していること

群れで生活をする動物なので寂しがりや。
自然環境では雄1-2ひきと、雌1-3ひきぐらいで生活している。(他の報告も あり)
縄張り意識が強いので雄同士では喧嘩することもあるかも。
社会性の高い動物なので、単独飼育だと、自分の毛を引っこ抜いたりする精
神的な病気になる可能性もあるかも。
単独の場合は飼い主さんが一緒にコミュニケーションを取ってあげてね

6 隠れる場所必要

寂しがりやだけども、隠れたがります。
自然界では、地面に穴をほって巣穴にしたり、岩陰に隠れたりしている。
隠れる場所があることで、安心して過ごすことができる。
木の巣箱とかおすすめ。でも、かじってぼろぼろにするので、消耗品という
認識で。
かじって、ストレス発散など、必要性があってかじっていると思うので、かじ っても安全なものを使用すること

7 砂浴びできる環境を

水浴びはしないけど、砂浴びはするので、入れておく。 余分な皮脂を落として、皮膚をきれいに維持できる。 健康維持に必要。 ストレス発散にも効果があると思われる

8。高さのあるケージはだめ

高さのあるケージを用意する・・みたいなことを推奨している飼育サイトがありま すが、基本的には自然界での生活では高低差がある場所での生活ではない
高さあると、骨折や脱臼など怪我を引き起こす。 地面に巣穴を掘って生活しているので、地面での生活がメイン 多少、岩場を登る事はありますが、すごい高いところからジャンプすることはない
横に広いケージでの生活を。それなりの運動量なので、回し車なども入れるか、部屋の中でお散歩とかも

9。デグーを見てくれる動物病院を探しておく

獣医大学ではデグーの病気の勉強は微塵もしない!齧歯類はほとんど習わない。
多くの動物病院は犬と猫のみのところが多いです。そう言った動物病院に受診すること は、人間で言う産婦人科の先生のところに「歯が痛くて」と言って受診するようなも の。見れなくはないかもしれないけど、検査や治療に必要な道具も経験も不足していま す。
病気になってからでは手遅れになることもありますので、デグーさんを飼うのであれば 診察してくれる動物病院を見つけておいてください。
また、定期的に体重を測定して記録をつけておくと、病気を早期に発見できたり、獣医 さんにとって有益な情報になることもあります。

まとめ

1。完全草食動物であること:
ハムスターのご飯ではだめ!

2。牧草を与えること:
チモシーなど牧草中心にしてね

3。寿命は7-10年:
きっとみんなが思っているより長生きするよ! ハムスターは1.5年ー2年だけど違うよ。

4。温度管理が必要:
25度前後をキープ。エアコンが無難。暑いの も寒いのも苦手。

5。群れで生活していること:
適度にコミュニケーションしてね

6。隠れる場所必要:
自然界では地面に巣穴掘って生活しているよ。

7。砂浴びするよ:
毛を清潔に保ち健康維持に必要

8。高さのあるケージはだめ:
横に広い方が本来の生活にあっている よ。高いところからの落下事故のリスクあり

9。デグーを診てくれる動物病院を探しておく

補足

2番目にお伝えした、牧草をメインで与えることについて、ペレットは少なめにしてねとお伝えしました。そ れに関してですが、このチャンネル登録をされて、いくつかご覧いただいた方ならわかった方もいらっしゃる かもしれません。
このデグーという動物も、ペレット中心のご飯にすると不正咬合という、歯の噛み合わせがずれてしまう病 気になってしまうことがわかっています。
ある文献では歯のトラブルによる症例は全ての症例の40%にもなると言われているぐらい、歯のトラブルは 多いです。当院での実感としても、そんなに差はないように思います。
ペレット中心のご飯にしてしまうと、その後、牧草を食べようとはしなくなります。やはり、ペレットは美 味しいというか、あまり噛まなくても飲み込むことができるので楽なのかもしれません。
そればっかり食べていると歯の病気になるので、是非ともチモシーという牧草をメインのご飯を与えてくだ さい。

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