まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
今日は、デグーで多い病気3選ということでお話ししていきたいと思います。
デグーさんを年間の大体200件ほど診療しています。。
鳥やうさぎなどと比較すると来院数は少ないです。
まだまだわかっていない病気がありますが、そんな中ではありますが、遭遇する機会が多い病気というのがあるので、今回お伝えしたいと思いま
す。
前回の動画でもお話しましたが、齧歯類は獣医大学でほぼほぼ私の時代では学びません。病気について習いません。ほぼほぼワンちゃんと猫ちゃん だけです。うさぎさんですらほぼほぼ病気は習いません。じゃあなんの動物を習っているのかと言われると牛、豚、馬、鶏ぐらいですね。
ペットの診療をしていいのは獣医師だけなのですがこれが現状になります。卒業後獣医師自身が勉強してくことが欠かせません。私自身も努力中で すし、完璧ではありません。他の獣医師さんももちろんそうですので、皆さん精一杯診療していますので、そのように獣医師のことを見ていただけ るとありがたいです。
その病気を知っておくだけで、予防できるものがあります。早期発見して治療できるものもあるかもしれません。 デグーを飼育されているかた、これからデグーを飼いたいと思っている方は最後までご覧ください。
1 過剰グルーミング
過剰に自分の体をグルーミングすること
【症状】
体の一部の毛がなくなって、地肌が見える。場合によっては皮膚を傷つける
痛々しくかわいそうな病気
【原因】
ストレス
【治療】
デグーにあった飼育環境にする(単独飼育なら多頭飼育や、飼い主さんとのコミュニケーションなど)
デグーさんは他の齧歯類の動物の中では賢く、コミュニケーションをとりたがる動物です。コミュニケーションをとりすぎるとストレスになったり、鳥さんの場合は 発情して病気になりやすかったりと過剰なコミュニケーションを避けなければならない動物が多い中、可愛がることが喜ばれる動物さんです。よく遊んであげてくだ さい。
また様々な芸も覚えてくれるそうなので、一緒に遊んであげるのもいいかと思います。
2不正咬合
チェンネル登録いただいている方にとっては、「またこの病気か・・・」ってなるかもしれませんが、残念ながら、草食動物 ではやはりこの病気が多いのが現状です。(写真1)
【原因】
歯の噛み合わせがずれて、頬や舌に歯が突き刺さる(図1、2) とっても痛々しくかわいそうな病気です。 完治は困難。生涯にわたって治療が必要 予防は牧草中心のご飯。ペレット中心のご飯を食べているとなりやすい。 よだれが多い、歯軋りが多い、口の周りが腫れてきたら病院
【治療】
正しい食事指導、伸びた歯をカットする(削る)
3 テイルスリップ(尾抜け)
尻尾の皮膚がごっそり抜ける(トカゲの尻尾切りみたいな)尻尾は生え替わらない。 【原因】
尻尾を掴んでしまったり、扉などに尻尾を挟んでしまう
【症状】
尻尾の毛と皮膚がなくなって、骨や筋肉が見えてしまう 【治療】
一度そうなってしまったら、治らない。皮膚がなくなった尻尾は壊死して脱落する。そうならな
いように予防しかない
今日お話ししたデグーで多い病気3選をまとめます
1。過剰グルーミング:
ストレスが原因で起こる。
デグー本 来の飼育環境にしてあげる
2。不正咬合:歯の噛み合わせがずれてしまう病気。
ペレッ ト中心のご飯でなる。牧草中心で予防が第一。一度なって しまうと治らない。生涯にわたって、歯を切る処置が必要
3。テイルスリップ(尾抜け):
尻尾を挟んでしまうことで 起こる。皮膚ごと抜け落ちてしまう。予防が第一。
補足
今回は遭遇する機会の多い病気に関してお伝えしました。
もしかしたら、意外に思われたかもしれませんが、デグーで多い病気でネットで言われているものとして糖尿病がありますが、実際に遭遇することはほ とんどありません。
これは、皆さんが糖分の多い食事はダメ!ってご存知だから、そういったものを与えないようにされている方が多いからかもしれません。
でも、実際に糖分を与えて血糖値を測定したことを報告した文献があるのですが、実際には正常な血糖値で推移したそうです。なので、実際に多少は、 糖分を含むおやつを与えても糖尿病にはなりません。
だからといって、いっぱい与えていいわけではないので、ご注意ください。
また、ネットで書かれている飼育方法で気になったのが、高低差があるケージを用意してくださいと書いてある内容でした。実際に、高低差があるケー ジで落下して毛がしたデグーさんに遭遇することが比較的多いように思います。登ることはできるけど、降りる際に事故を起こすのかなと。
踏んだりなど何もないのに、脊椎損傷で後ろ足が動かないで来院されたデグーさんなど。普段の飼育環境であるケージが病気を起こすリスクの高い場所 にっているのは非常に怖いことだと思います。
過去に報告されたデグーさんで多い病気では外傷はそんなに多くはありませんが、日本ではもしかしたらかなり多いのかもしれません。自然界でのデグ ーさんは地面に巣穴を掘って、生活しています。岩場など多少は高低差がありますが、そんなに高いところからジャンプして降りることはありません。 用意するケージとしては、高低差があるものではなく、広いケージを用意してあげてくださいね。
YouTubeチャンネルでは動物の様々な病気や飼い方についてのことを伝えています。あなたがペットを飼っているのであれば、ぜひチャンネル登録してくださいね。動画でもご覧ください!ありがとうございまいした~安田でした~