まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています
1 牧草中心のご飯にする
ペレットを中心としたご飯を与えている方が多いですが、これがとってもかわいそうな病気を引き起こしてしまいます。 これなんです(図1)。 歯の噛み合わせがずれてしまったものです。
不正咬合という病気です。歯の噛み合わせがずれると上の歯は頬の方に突き刺さってしまいます。下の歯はべろ・・・・になってしまいま す。チンチラはどの歯も、生涯にわたって伸び続けるのですが、ご飯を食べる過程で上下の歯を擦り合わせてちょうどいい長さをキープして います。
私がチンチラさんを見ていて最もかわいそうな病気の一つです。口の中が膿だらけになってしまうチンチラさんもいます。
一度なると生涯治らないことが多く、 最終的には短命であったりそれが原因でご飯を食べることができなくなって亡くなってしまいます (歯が頬の粘膜につき刺さる)。
対策は牧草中心のご飯にする。ペレットは与えない、体重の1%以下の少量にする 小さい時から牧草にしないと難しいことが多いです。小さい頃からペレットだとペレットしか食べられなくなります。 ちなみに牧草はペットショップで売っていますし、高くありません。
これを見ている方は牧草にしてほしいと思います。
2砂浴びをする
チンチラは砂浴びを好んでする習性があります。
ラミリンという皮脂脂(ひしあぶら)、かのような脂をだすのですが、砂浴びをすることで満遍なく毛に行 き渡らせ綺麗な状態を維持しています。
逆にこの砂浴びができないと、本来のふわふわな毛が絡まってベタついた状態になってしまいます。なので、 チンチラ専用の砂浴びは必須です!
そこまで害はないと言えばないのですが、そのチンチラ本来のふわふわの状態で可愛いままで一緒に過ごして欲しいと、僕は思っています
しかしながら、チンチラ用の砂は粒子が細かく、部屋の中でかなり舞い散ります。フローリングがざらざら になります。
専用の砂浴び用ケースがあるので、そういったものを使用するのが一つです。
3 温度管理
南米大陸のアンデス山脈標高4500mぐらいの場所に住んでいる。慣例で -15-20度にもなる場所に生息している。
そのため、寒いのは強いけど、暑いのは苦手!
(暑いとどうなってしまうのか)暑いと熱中症になってしまうかも。なりやす
い。はあはあいって、ぐったり。あいつらは汗をかけないから体温を急に下げる
のが苦手。
僕ら人間と生活する上での妥協点を考えると大体18ー25度ぐらい、(湿度も低 め50%以下の方がいい)温度管理が必須!
4チンチラを診察可能な動物病院を見つけておく
温度管理を失敗して、冬眠したり、爪切りをしてもらうならその症状を診れるところが大切。 獣医大学ではチンチラの病気の勉強は微塵もしない!
私は未経験から始まりましたが、毎日毎日診察して、たくさんの医学書を読み、経験を積んで今に至 ります。今では年間600匹ほど診察するほどになりました。
多くの動物病院は犬と猫のみのところが多いです。そう言った動物病院に受診することは、人間で言 う皮膚科の先生のところに「目がおかしい」と言って受診するようなもの。見れなくはないかもしれ ないけど、検査や治療に必要な道具も経験も不足しています。
症状を隠す傾向にあるので、僕らでもわかるレベルでおかしいと思った時はかなり進行していること もあり、手遅れになることもありますので、チンチラを飼うのであれば診察してくれる動物病院を見 つけておいてください。
5夜行性であることを理解してあげる
夜行性なので昼間は寝ています。触らないであげてください。 ご飯も与える必要はない(夜間にしっかり食べ切れる量を与える) その動物にあった生活にしないとストレスで病気の原因にも 人間で言うとよる起こされるようなもの。
6高さがあるケージで飼育すること
体の割に、かなりの跳躍力がある。
要求される運動量も多め。
なので、高さのあるケージを用意すること。
高さがないケージだと、簡単に言うとすごい窮屈な生活を強いる感じ!
7健康診断に定期的に行くこと
定期的に病院に行くことになれる
栄養失調になっていないか確認
8コードを齧らないように注意
チンチラに限らずですが、お部屋の中をお散歩される方が多い
しかしながら、チンチラは他の齧歯類と比べてもなんでもかじってしまう傾向にある
特にやばいのが電気コード!感電してしまう
髭とか縮れて、唇が火傷起こしたりする。
最悪、そのままなくなってしまうこともあるので注意!
9隠れる場所が必要
草食動物全般に言えますが、チンチラも比較的臆病な動物。
周りが囲まれて暗い場所を好んで寝床とする。安心していられる場所を提供し てあげる必要がある
ないとストレスが強く、病気になりやすい、またはすぐになってしまう。
場所を提供する際に、かじっても大丈夫な木で作られたものの方が安全。
まとめ
1 牧草中心のご飯にすること
ジャないと不正咬合になるよ
2 砂浴びをする
じゃないと毛がベタベタに
3 温度管理
温度管理が必要な動物です。特に暑いの苦手!
4 チンチラが診察可能な動物病院を見つけておく
病気になって からだと手遅れになることも
5 夜行性であることを理解してあげる
昼間は寝かせて
6 高さがあるケージに
運動量が多い動物
7 健康診断に定期的に行くこと
病院に慣れてね!
8 コードを齧らないように注意
部屋ンポするとなんでもかじる よ!
9 隠れる場所が必要
臆病な動物、素材を考えて準備して
補足
どうだったでしょうか、最初にもお伝えしましたが、飼育環境の問題でなってしまう病気が多いというのは
ご理解いただけたのではないでしょうか?
1900年代初頭には、毛皮を目的に乱獲され、絶滅の危機になってしまいました。その後は、1950年代にア メリカ等で毛皮や食肉を目的に繁殖されてきました。
現在、流通しているチンチラは、完全に人工繁殖された個体ばかりですが、依然として自然界のチンチラは絶 滅の危機に瀕しています。
皆さんがお迎えした動物というのは、そういうとても貴重な動物だということを知っていただければ、よ り、大切に飼うことができるのかなと思ってそのことをお伝えしておきます。
また、これまでにもあったかもしれませんが、ペットショップにあるものが必ずしも安全ではないというこ とです。それを与えていいのか、情報は更新されていきますので、常に新しい情報を得る努力を皆さんもして いただければと思います
YouTubeチャンネルでは動物の様々な病気や飼い方についてのことを伝えています。あなたがペットを飼っているのであれば、ぜひチャンネル登録してくださいね。動画でもご覧ください!ありがとうございまいした~安田でした~