インコ・オウムの安全な出血量に ついて

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

こういった電話がかかってきます
「先生!!私のセキセイインコちゃんケージ内が大出血して大変なことになっているんです!」こんな感じでお電話で伝えてく れたり、実際に来院されます。
鳥さんは深爪しただけでも結構な出血をします。こんな小さな動物なのに、こんなにも出血しても大丈夫なの?!?と皆さん心 配になります。出血多量で亡くなってしまうんじゃないの?そう思っても仕方ないと思います。
今日はそんな時のために、インコ・オウムさんの安全な出血量について、お伝えしたいと思います。
大体どれぐらい出血しても大丈夫なのか?安全な出血量についてお伝えしていきたいと思いますので、過去にパニックで出血し て怖い思いしたかた、爪切りで深爪して出血がおさまらず怖い思いした方だけではなく、鳥さんを飼っている方は必見です!
実際にどのくらいの血が出ても大丈夫なのかを実験してみます。実際の血で行うわけにはいかないので、イソジンでの量をお見 せします。

鳥さんの血液検査

日常的に鳥さんの採血します。
でも、使用しているの血液検査の機械は犬や猫ちゃんや人用の検査の機械を 使用しているので、比較的多くの血液が必要!
そこで、犬や猫ちゃんでは一回の採血で大体1ml~場合によっては5mlとか採 血します。人間だと、もっと多く採血しますよね!

鳥さんではどれぐらい採血するの?

でも、例えば30g前後のセキセイインコさんで1ml(体重の3%ぐらい)採血 しますって、犬や猫ちゃんの検査で必要な血液量を取ると、流石に出血多量 で症状出る危険性はあるかも。
なので、例えばにはセキセイインコさんでは一回の採血量で0.3ー多くても 0.5mlほどの採血を行います。
これでも十分血液検査はできます。

哺乳類の血液量との比較

人間の血液量は体重の約8%。犬や猫も同じぐらい 鳥の場合も大体同じくらいで、体重の約10%ぐらいが血液量
哺乳類ではその全体の血液量の約2割(体重の)を急激に失うと、ショック状態にな るかも。3割で生命の危険性かも
なので、鳥の場合、体重の1%つまり、全血液量の1割を採血しても大丈夫!
実際に体重の1%から2%行かないぐらいの採血量でこれまで安全に血液検査ができ ています。今のところ、当院ではこれまでで採血で事故を起こしたことはありませ ん。

安全な出血量を体験

パニックなどで、実際に出血してしまった時。なんml出てしまったのか、確 認することはできません。
そこで、パニックを起こしやすい、オカメインコさんで安全な出血量はこれぐ らいっていうのを目で見てもらおうかなと思います。
(実際にティッシュで血液サンプルをシリンジで1mlこぼす。) 何ポタポタなのか、確認してみる。

補足

いかがでしたでしょうか?
案外、皆さんが思っていた以上に、かなり出血しても大丈夫なんだな!ってなりませんでしたか?そうなんですよね、案外血まみれになって も大丈夫なんですよね。普通にピンピンしています。
実際に、普段、皆さんの生活環境で出血のリスクとして遭遇する機会の多いものは以下の3つ。 1、パニックなどによる羽根からの出血、
2、深爪や何かに引っかかっての爪からの出血
3、自咬症
他にもあるけど、この辺りが多いと思います。
この中で、1、2は出血多量が原因で亡くなった子は今の所遭遇していません。結構耐える。でも3つ目は数例、飼い主さんから聞いた話だけ にはなりますが、それでなくなったんじゃないかなっていうのは経験したことあります。3つ目は繰り返し出血するので、徐々に貧血も進ん で、その積み重ねも背景にあったのかもしれないなって思ったりします。
あと、パニックってなに?ってなった方、爪切りやその止血に関して知りたい方は概要欄にURL貼っておくので一緒にご覧ください。

まとめ

体重の10%が血液量
その1割、つまり体重の1%は出血しても大丈夫! 皆さんが遭遇する機会として多いのは、パニック、深爪、自咬症 でも、案外出血しても大丈夫なので、落ち着いて対処していきましょう。

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