インコやオウムの便の色や形でわかる5つのこと

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

私は年間約5000羽ほどの鳥さんを診療しています。
以前、鳥を飼う前に知っておくべき7つのことをお伝えしましたが、それに匹敵するぐらい、「便の色や形」でいろいろなことがわかります。
それを知っているだけど、調子がいいのか、病気なのか、つまり病院に行った方がいいのかを判断する大きな手掛かりになるのです。
インコやオウムさんを飼育されているのであれば、是非とも最後までご覧ください。

そのうって何?

食道の一部が広がった空間。
餌を一時的に貯めておく場所で、胃みたいに消化することはできない。

まずは正常な便について

異変に気づくためにまずは正常な排泄物を知ることが大切です。 これが正常な排泄物になります。
大きく分けて、黄土色の「便」と白い固形のもの「尿酸」と液体の「尿」とこの3つで構成されます。
便は食べているものによって、色が変わります。緑色の物ばかり食べると緑の便にな るし、赤い物ばかりを食べると赤い色になります。
色がついているペレットという鳥用のご飯がありますが、その中には紫のフードもあ りますが、そればかり食べると紫のうんちになります。

できれば色がついていないご飯の方が間違いを起こしにくいです。 具体的には、一つに、ひえ、あわ、きびなどのシード類。
もう一つにペレットで選ぶのであればナチュラルタイプと呼ばれる色がつい
ていないものの方がいいかもしれません。

白いうんち

こちらの写真のようなもの、これが白いうんちです。
これは膵外分泌不全という病気の可能性があります。
食べたご飯は消化酵素で分解されて消化吸収された後、皆さんがご存知の便の色になっていきま すが、この消化酵素が出ないで未消化な状態の便が出るとき、このような白いうんちをします。
この状態になると、食べても食べても吸収されないので、食べる量が増えたりします。また、そ の分、うんちの量も多くなります。消化できないのでたくさん食べて生命を維持します。
セキセイインコやオカメインコで時々見られます。このような便をしていたらすぐに病院へ 病院ではお薬を処方して、消化酵素を補います。膵臓が少しずつ治るのを待ちます。

緑色のうんち

絶食時間が長いときにするうんち。 写真のように濃い緑色でゼリー状、形がいびつ
よる、早めに暗くして絶食時間が長いとき、朝一のうんちがこの時もある。その後、普通にご飯 食べて正常べんしていたら大丈夫。
鉛を食べてしまった時もこのような色になる。 食べていないので、放っておくとなくなってしまいます。 緑色のうんちが続いているときはすぐに動物病院へ 病院ではなぜ食べないのかの検査をまずは行います。

黒いうんち

胃や小腸で出血しているときにみられるうんち。
黒いうんちをしているときは、マクロラブダス症などの感染 症や異物の摂取、痛み止めの内服などで出ることあります。
出血が止まっていればいいのですが、出血が続いていると怖いです。 このようなうんちが続いているときはすぐに動物病院へ 病院でまずは検査をして原因を探りましょう。

つぶつぶのうんち

シードを食べているインコやオウム(穀食鳥、雑食鳥)で出ることがある。粒便ともいう このようなうんちをしている場合は、筋胃の機能障害が疑われる時。
シードを食べる鳥さんは胃が二つあってその一つは筋肉の塊のような構造になっている。そこで食べ物をすりつぶす (鳥は嘴はあるけど、人間みたいに歯がないので飲み込む)そのすり潰す能力が低下した状態が近位の機能不全。
いろいろな原因はあるが、セキセイインコのマクロラブダス症、コザクラインコでもクリプトスポリジウム症などで 一般的にみられる。
白い便の時と同じように消化ができていないので、痩せていきます。すりつぶさなくても大丈夫な消化の良いご飯を 選ぶといいかもしれません。
サザナミインコでは正常でもみられる。
病院で検査をしましょう。

大きいうんち

段するうんちの大きさのに比べてかなり大きいうんちをする。
写真のようなうんちをするときは、めすで発情しているとき、腹壁ヘルニア
という病気の時、うんちが溜まっているのがわからない神経の病気の時など。(一般的に多いのは発情に伴うもの)
診察中にびっくりしたときにすることもある
様々な原因があるので、何もないときもありますが、正常かどうか判断は動物病院へ!

それでは今日のお話をまとめます!

消化できていない可能性が高い
絶食してる
血が黒くなったもの
つぶつぶ 消化できていない可能性が高い
大きい 色んな原因がある。何事もないことも。

補足

便の色や形でいろいろなことがわかったと思います。 正確な判断をするためにも、色がないものを選ぶといいと思います。
また、便の色を見るときに、糞きりあみの下にチラシを使用される方が多いと は思いますが、赤いチラシを重ねたとき、排泄物で濡れたら、まるで血便をして いるように間違うことがあるので新聞紙やキッチンペーパーなどを使用すること をおすすめいたします。
合わせて毎日体重の記録をつけることで、正常は異常かの判断をしやすくなります。

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