インコとオウムの爪切り

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています

私は年間約5000羽ほどの鳥さんを診療しています。
今回は、皆さんから質問が多かったものの一つとして、インコとオウムさんの爪切りについ てお話ししたいと思います。今日のお話を知っておくだけで、爪切りについて少し理解が深まるとは思いますが、実際にやってみるのは別問題かもしれません。しかしながら、これだけを知っておくだけで、無謀な試みをする必要がなくなったり、深爪のトラブルにも心の準備ができるのかなと思います。
自宅での爪切りにチャレンジしてみたいという方は是非とも最後までご覧ください。

なんで爪切りをするのか

手や肩に止まった時、皮膚に突き刺さって人間側が痛いので、それを解消する。
伸びすぎて、ケージなどに挟まったり、何かに引っかかったりして根本から折れないようにするため。
ポイントとしては、爪切りはあまり完璧を求めず、深爪して出血のリスクを負 うくらいなら、このような目的を達成できる長さまでカットできたらよしとする!

どこまで切るのか?爪の構造を知る

爪の中心部分がややピンク色になっ ています。そこに血流があり、神経があります。
したがって、その場所より深く爪を切ってしまうと、出血して痛みが出て、暴れてしまいます。
あまりギリギリを攻めすぎると、痛みが出るので、安全な範囲で切ることを お勧めします。

爪が黒い場合

爪が黒い場合はどこまで着ればいいかわかりません。
その場合は、図のように指の腹から平行な線を引っ張ったとき、爪と交わる 場所より外側を少しずつ切っていくという方法を取ります。

準備するもの

ラモデルなどをカットするときに使用する、先端が細いニッパー。
なるべく、切れ味の良い、新しい、いいもの。これがよくないと爪を切断するというより、圧をかけながら押しつぶして切るような感じになり、痛みが発生しやすい。
出血した時のための、止血剤。僕らはクイックストップという犬猫用止血剤 を使用します。使わない方がいいけど、思わぬ動きなどで深爪してしまうこと があるので、準備だけしておきます。
出血すると、数分間、ずっと止まらないことが普通。出血多量になるんじゃ
ないかって心配になるほど出血する。

爪切りの実際の動画はYouTubeの動画でご覧ください!

爪切りの動画、大型オウムの場合

オルで包んで持ってもらう人と、爪切りする人で分かれる。
いかがでしたでしょうか。無理なく爪切りするのがいいかもしれませんね。

深爪してしまった時

どんなに注意していても、繰り返すうちに深爪してしまうこともあります。
僕も未熟ながら、大変申し訳ないことに深爪をしてしまうことはあります。
そういう時、最低限、それ以上ダメージを負わないように、迅速に止血をしします。
爪からの出血は爪の中心部分から出るので、そこに止血剤(クイックストップ)を詰 め込む感じで止血します。筒状の中心に止血剤を詰め込む感じ。
止血が終わったら、深爪した場所が再度擦れないように安静に過ごしてください。 (止まり木にヤスリがついているとそこで再出血することも)

補足

インコやオウムたちは、残念ながら爪切りの必要性を理解するのは困難かもしれません。あくまで、人間側の都合で爪切りを強要 している状況だと思います。
その結果、何が起こるかというと、愛鳥に嫌われてしまうという悲劇。せっかく、積み重ねてきた信頼関係が崩れてしまうリスク を負わないといけないのです。
したがって、ここまで爪切りのお話をしておいてなんですが、僕は、ご家族以外の嫌われることに対する利害関係が発生しない人に 爪切りをしてもらうことをお勧めします。
具体的には、僕らみたいな職業の人や、ペットショップの方でしょうか。
また、最初の爪切りの目的でもお伝えした通り、完璧を求めすぎないことでしょうか。特に最初のうちは。今回は一本だけ、とか でもいいと思いますし、今回は本来着る予定の半分ぐらいの長さで、でもいいと思います。また次回、チャレンジすればいいと思います。
最後に、今回お話ししませんでしたが、鳥さんを持つ持ち方も重要!なるべく負担をかけないように動かないようにして短時間で 終わらせる持ち方です。爪切りに夢中になるあまり、鳥さんを窒息させたりさせないように注意が必要です。(もちろん、健康な鳥 さんで爪切りしてくださいね)

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