インコとオウムのパニック

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
私は年間約5000羽ほどの鳥さんを診療しています。
今日は「インコとオウムのパニック」についてお話ししたいと思います。
雷や台風の音でびっくりして、ケージ内で暴れる!仕事から帰ってきたらケージの中が血だらけ!そんなことを経験され た方は多いのではないでしょうか。
またコメント欄にもありましたが、人に追いかけられ、壁にあちこちぶつかり、ひどい打撲から、なくなってしまっ
た、、、との報告もありました。
インコさん、オウムさんには起こりうることです。特にオカメインコですね! 今日のお話を知っておくだけで、インコとオウムのパニックの実際について少し理解が深まるとは思います。 一度でもこういった経験をされた方、オカメインコを飼われている方は是非とも最後までご覧ください。

パニックとは

何かに反応して暴れる行動
【なりやすい鳥】
どのインコ・オウムでもなる。けど、オカメインコで多い。その中でもルチノ ウで多い。
【原因】
大きな物音に反応して発生することが多い(風や雷など)
猫など襲われる危険性のある動物がちょっかいを出す
特に「暗闇」でこういったことが起こったときに発生する

パニックによる二次災害

パニック自体は暴れるだけ。なので、特に落ち着いたら特に問題はない。 しかしながら、暴れた時に発生する二次災害が問題! ケージの中で暴れるので羽や爪が折れて出血してしまう あちこちぶつかってしまう(打撲) 格子状のケージの隙間に翼が挟まって、さらにパニックになって骨折

なんでパニックになるの?

もともと備わっている危機回避行動
暗闇で外敵に襲われた時に、反射的にとりあえずその場から飛び立つことで 被害を免れる
しかしながら、その飛び立つ行動をせまいケージ内ですると先程のような二 次被害が発生してしまう(自分が安全なせまい場所にいることを忘れてしま う)

パニックになったらどうしよう 治療と対策は?

パニックの基本的な治療はない!(もともとプログラムされた行動なので)
しかしながら、「起こりやすい条件」があるのでそれにならないように対策
する
具体的には、「暗くしない」、静かな場所にケージを設置する
ケージも暴れた時に骨折しないように、隙間の少ないアクリルケージにする

パニックで起こりやすい羽の損傷による出血の対応 出血すると5分以上、出血が止まらないことがある→すぐに病院へ! (特に、羽の生え変わりが起こっている時にパニックを起こすと出血がひどい) 自宅でできるとしたら、出血している羽を抜く!けど・・難しい 大抵は風切りばねという翼のはね(写真2)で出血する 外傷などによるストレスが大きいと、ご飯食べなくなることも・・・

まとめ

パニックは危機回避を目的とした鳥に備わった反射的な行動 どの鳥にも起こるが、特にオカメインコのルチノウに多い
パニック自体には大きな問題はないが、ケージなど狭い空間で我を忘れて暴
れるが故に起こる二次被害が問題
起こりやすい条件、暗闇、大きな物音
治療はないが、対策として起こりやすい個体は、夜間明るくする、静かな場
所にケージを置く、ケージの隙間を無くすなど

補足

それでもパニックが起こると言う場合、台風や雷などあらかじめリスクが高
そうな日だけ、鎮静剤などの処方をすることもある。けど、まれ。
飼い主さんも一緒になってパニックにならないように注意。
今回のことを知っておくだけで、少し冷静になることができるかも。

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