まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
私は年間約5000羽ほどの鳥さんを診療しています。
今回は、皆さんから頂いたご質問の中から、インコとオウムさんのグリットインパク ションについてお話ししたいと思います。
横文字で、名前の響きとしてはカッコ良さそうですが、そんなかっこいい病気ではあり ません。
予防が第一で、このことを知っていればならなくても済む病気なので、かわいそうなイ ンコオウムさんを見なくても済むように、是非とも最後までご覧ください。
そもそも、グリットインパクションってどういう意味?
つまり、この病気はグリットという砂を食べすぎて、胃で詰まってしまう病気のこと を言います。
単語としては、「グリット」と「インパクション」で分かれます。
「グリット」、とは、主にシードを食べる鳥さん、穀食鳥や雑食の鳥さんの胃の中
にある「砂」のこと。
もう少し詳しくいうとこういう鳥さんは「筋胃」という食べたものをすり潰す胃があ って、そこに砂がストックされてて、僕らでいう奥歯に当たる役割をしてくれます。
「インパクション」っていうのは、詰まってしまうこと。 放っておくと、、、衰弱してしまいます。
症状
吐き戻し
羽を膨らませて目を瞑っている(膨羽)
ご飯食べない
うんちの量少ない
水をいっぱい飲む
原因
おうちで過ごしている鳥さんで発生するとしたら、次の3つの中のいずれかを 一度にがっと食べ過ぎちゃう。
1。塩土 2。ボレー粉 3。焼砂
グリットインパクションについての情報
【なりやすい鳥】
セキセイインコ、オカメインコ、ラブバードなどで時々見られます。当院では 月に1件あるかどうかぐらいの頻度。
気になる治療は?
自然と削れて、小さくなって排泄されるのを待つ!
流れをよくするために、粒子の細かい流動食を食べさせる。
点滴
シードは中止!
基本的には、よっぽど状態が悪いとかで消耗していなければ助かる子がほとんど。
どんな検査をして診断するの?
レントゲン検査で、胃の中に大量のグリットがあるのを確認する(写真)
グリットの量がこれぐらいあったらグリットインパクションです!っていう
基準があるわけではないので、その獣医師の主観であったり、他に病気を疑
うことがなければ、治療してみるって感じ
最後に予防
予防は、そんなわけでして、原因であげた3つ 1。塩土
2。ボレー粉
3。焼砂 を好きに食べれるような状態にさせないこと!
グリットインパクションのまとめ
グリットインパクションとは、砂が胃で詰まってしまう病気
【症状】吐き戻し、膨羽、元気ない食欲ない、排便が少ないなど
【原因】塩土やボレー粉などの過剰摂取
【治療】シードを中止、流動食や点滴でグリットが無くなるのを待つ
【検査】レントゲン検査
【予防】塩土やボレー粉を自由に与えない
補足
グリットインパクション、どうでしたでしょうか?
この病気自体、そんなにメジャーな病気ではないとは僕は思っていたんですが、インコやオウ ムを飼われている方の一部ではご存知の方も多く、こんな質問が来るとは意識高いなぁって思 いました。すごいですね。
大切なのは、この病気の名前ではなく、予防のところ、これにつきます。
また、治療のところで、胃のなかで詰まっちゃうのなら手術ですか?ってご質問されたことが あるのですが、実際は手術したことありませんし、治療のところでお伝えした方法で手術ほど の負担をかけずに治ってくれる子が多いので、現状ではこの方法で様子を見ていきます。
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