どうしてうちの子飛べないの!? 飛べなくなる原因5選

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

私は年間約5000羽ほどのインコやオウムさんの診療をしています。
今日はどうしてうちの子飛べないの!?飛べなくなる原因5選ということでお話ししていきたいと 思います。
ついこの前まで元気に飛ぶことができていたのに、最近飛べなくなったんです。とか、
ずっと鳥籠の中にいて使っていないから、筋力が弱って飛ぶことはでき無くなったんじゃない!? みたいにおっしゃる飼い主さんもいらっしゃいます果たしてどうなんでしょうか。
そういえば、最近飛んでいる姿を見ていないなーとか、飛べなくなってどうしたんだろうとか思っ ていらっしゃる方は是非とも最後までご覧頂ければと思います。

鳥籠の中にしかいないと飛べなくなるの?

人間の胸や腕の筋肉では、使わない筋肉は小さくなって筋力が弱くなってしまう。と
ても合理的にできていて、使わない組織に栄養は行かないようになっている。
でも、鳥において、「飛ぶ時に必要な筋肉」ではそれが起こらない。 なので、ずっと飛んでいなくても、鳥は急にでも飛ぶことができる。
鳥は飛ぶための筋肉においては、使用していない状態にもかかわらず、いつでも飛べ るようにその筋肉を維持する体の仕組みになっている。
自然界では飛べないと命の危険。飼育環境下では踏まれたりの事故を起こしやす
い、とか、太りやすいかもしれない。

1。肥満

重すぎて、その翼がうむ「揚力」では飛べない。 食べ過ぎ。運動しなすぎ。 なので、痩せるしか飛べるようになる方法はない。 ダイエットに関する内容は概要欄のURLをご覧ください

2。風切りばねの損傷

風切羽が損傷している理由は様々 羽の生え替わりで風切り羽が短い
自分でかじっている パニックなどでぶつかって風切り羽がない ペットショップなどでクリッピングしてある。 生えてくるのを待つしかない。待てば多くの場合解決される。

3。骨折や脱臼

これは起こるものではありませんが、踏んじゃったとか、扉などに挟んじゃ
ったとか、動いている換気扇のプロペラにぶつかったとか。
パニックでも稀に骨折することもあリマス。
症状としては翼が下がるとか、羽ばたけないとか比較的わかりやすい症状が 見られます。
こういった症状が見られたら、病院へ
早く行かないとまずい

4。関節炎

一般的に見られるのは、老化に伴って見られる関節炎。人間でもおじいちゃん、 おばあちゃんが膝痛ーいっていっているもののイメージじゃないでしょうか。
関節の動きが悪くなったリ、痛みがあったり、動かすとコリコリいったり。
老化の場合はどうしようもない。痛み止めを使ってつきあっていくしかなさそ
う。
副作用もあるのでケースバイケースですが、何もしないのも一つの選択肢かも。

5。石灰化

多くはないけど、関節に石灰化が起こることがある。
原因ははっきりわかっていないけど、メスで発情すると血液の中にカルシウ
ムがいっぱいになった結果、石灰化が起こるのでは?
これも関節炎と同じで、治ることは難しく、関節の動きが悪くなって飛べな
くなる。
痛みの緩和ぐらい。
原因がわからないので、長く付き合っていくしかない。

飛べなくなる原因5選

1。肥満:ご飯あげすぎ、運動しなすぎ。適度なご飯と、運動と。
2。風切羽の損傷:換羽か、自分でかじっているか、パニックなどで折れたか。ペッ トショップで切られていることも。自然と生えてくるのを待つしか。
3。骨折や脱臼:踏んだり挟んだりなど、翼への衝撃が原因。またはパニックなど。
4。関節炎:老化に伴うものが一般的。治らない。治療は痛みの緩和で付き合ってい く
5。石灰化:原因は不明。でも言われているものとしてメスで発情して高カルシウム になることで起こるのでは?治らない。治療は痛みの緩和で付き合っていく。

補足

鳥なのに、飛べない。原因を知りたいって方多かったのではないでしょうか。実際に診察してい て比較的遭遇する機会が多いものを挙げました。それ以外にも原因としてはあると思います。
ちょっと特殊な例として、お伝えしておいたほうがいいのは、セキセイインコでのPBFDという ウイルス感染症でしょうか。長い羽だけ落ちてしまう症状、尾羽と風切り羽がなくなってしまう ので、飛べなくなってしまいます。治療すれば治る可能性のある病気なので、飛べないセキセイ インコさんは一度動物病院で診察を。
骨折や脱臼、治療して飛べるようになる場合と、そうじゃない場合があります。骨がくっつくこ とと、元通り飛べることはまた違う。すごく繊細で複雑です。プロのスポーツ選手とか、靭帯損 傷などで手術するけど、普段の生活するには問題ないけど、プロとしてまた活躍できるかという と・・完全に元通りには・・・みたいなそんな印象を持っています。

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