まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。
私は年間約5000羽ほどの鳥さんを診療しています。
病気じゃないのに、病気だと勘違いして来院してしまうケースが意外にも多いのが現状です。
これは、インコやオウムに限らずではありますが、今回の動画の内容を知っているだけで、焦らず に対応することができるのかなと思ってお話しさせていただきます。
今回は、遭遇するケースとして多いもの5選ということでお話しさせていただくのですが、それ以 外にも細かいことを言うといろいろあります。
最初にお断りしておきますが、今回の動画は、病気かどうかの判断を飼い主さん推奨するものでは ないので、わからなければ、お近くの動物病院の先生に聞いてみてくださいね。
くしゃみ
人間と同じく、くしゃみは正常でもすることがある。
くしゃみをする原因は鼻の穴の中に「何かある」場合。例えば、ほこり、鼻水。
水を飲んだ時に鼻の穴に水が入ることがあって、くしゃみをする
寒くなった時もすることある。鳥の体温は42度ぐらいあるので、外気温との差が 大きいと結露ができる。基本は口を開けて呼吸しないので。
黄色い鼻水は病気のサイン。毎日連発する時もおかしいかも。はなの周りが汚れ ている、詰まっている時(図1)もそのくしゃみはおかしい。
病気でもすることはあるので、みられたら動物病院へ相談を
メスののけぞり(交尾許容姿勢)
痙攣などと間違えて来院する
PERFECT HUMANのように背中をのけぞらせて、固まってしまう姿勢。 目が点のようになったりする メスによく見られる発情期によく見られること。 発情期を迎えたとき、背中を触ったりすると誘発することもある。 ほぼ問題ない
おしっこが多い(生理的多尿)
以前の動画でお伝えした通り、病気じゃないのにおしっこが多くなる時(図2 多尿)があある。
羽の生え変わり、発情、産卵、水分の多い食事、塩土など塩辛いもの 食べている、暑いなど
この判断は難しいので、多尿がみられたら動物病院へ。
以前の動画でも伝えたが、塩土はあまり必要ないので、与えなくても大丈夫。
卵をあたためる行動(抱卵行動)
目をつむってしゃがんでいる状態 本当に調子が悪そうに見える。
この動作の特徴としては雌でみられる行動で、発情期の後や産卵の後にケー
ジの隅にうずくまる
抱卵行動は卵を温めている行動なので、病気じゃないので、触ろうとしたり、 刺激を与えると普通に戻る。
本当に調子が悪い時もこういった行動が見られるので、オスや、発情期でもな い雌デミらたり、刺激に対して反応しない場合はすぐに動物病院へ相談
LOVEゲロ
以前の動画で説明した通りですが、オスでみられる行動で好きな相手の自分
が獲得した餌を吐き戻してプレゼントする行為。
雌が雛を育てるときに吐き戻しするパターンもある。
発情の有無の確認、病気かどうかは体重の減少が伴っているかどうか、食欲
はあるかどうかなど総合的な判断が必要。
くちばしのひび割れ
くちばしの異常は病気のサインであることを知っている飼い主さんにみられる。
くちばしの表面は薄い膜がぺりぺりと少しずつ剥がれることによって綺麗な
カーブを描く、本来のくちばしの構造になる
異常ではないので、そのまま様子見ても大丈夫。
見分け方は全部か表面だけか。
羽繕い
羽のお手入れ、羽繕いを痒がっていると間違って来院。
体にダニなど寄生虫がいないか心配されている。
羽の生え変わりの時期に頻繁にみられるが、お手入れしているだけ。
「筆毛」と呼ばれるツンツンした羽があちこちに増えてい るときは羽繕いの可能性は高い。
心配なら動物病院へ。最近はこういったダニやシラミなどの外部寄生虫がいる 鳥さんは減ってきている。
それでは今日のお話をまとめます!
くしゃみ メスののけぞって固まってしまう姿勢 おしっこが多い
卵をあたためる行動
Loveゲロ
くちばしのひび割れ
羽繕い
補足
前の動画でもお話ししたかもしれませんが、その動物の正常を知らないと異常かどうかなんてわかるはずがありません。
過去に実際にあった話として、くしゃみをしていて抗生剤を飲み続けているんですが、改善ないです。どんなときに出ま すか、と聞くと、水を飲むときに時々しかしないとのこと。
犬や猫しか診療しない動物病院では、そういったことを大学で学ぶことがないので、飼い主さんが「セキセイインコがく しゃみをしている」といって来院したら、その先生も鼻炎など呼吸器の病気だと思うかもしれないし、今回のことを知ら なくても仕方がないと思います。
なので、動物病院に行こうとなった時、普段からインコやオウムを診療されている動物病院なのか、よく確認して来院さ れることをお勧めします。
飼い主さんはその違いをそこまで分かっていなくても大丈夫なのかなと思います。下手に異常を正常だと見誤って様子を 見てしまうより、よくわからないけど・・・でご来院いただいて、獣医師の先生に見てもらって判断の方がいい。気軽に 動物病院へ行ってみてくださいね。
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