その足環、大丈夫!? インコとオウムの足環の事故について

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

私は年間約5000羽ほどの鳥さんを診療しています。
今日は、その足環大丈夫!?インコとオウムの足環による事故についてお伝えしたいと思います。
足環(あしわ)、アシカンとも呼ばれていたりしますが、鳥の個体識別を目的に足につけれらたリ ングのことを言います。
これと関連して、補足でワシントン条約(国際的にはサイテスと呼ばれる)の附属書1に当たるオウ ム類の足環とマイクロチップについてお伝えしています。
足環外そうかなーどうしようかなーって思っていらっしゃる方は、是非とも最後までご覧くださ
い。

足環の必要性について

おうちでご家族として過ごす鳥さんには必要ない!
ブリーダーさんで個体識別を目的に番号が振ってあるので、商業的な理由で足 環をしてある。
補足でお伝えする、ヨウムやオオバタンなど特定の鳥種で、生まれてからつけ られる足環(クローズドリング)に関しては、登録申請で使用できる。

足環の弊害1

一番怖いのが、絞扼!
絞扼とは医学用語で、その部分がギューって締め付けられることで、以前、足 でわかる異常でお伝えしました。
使用していた足環が足首あたりに食い込んで締め付けられてそこから先が壊死 してしまうことがあります。
そうなると足がなくなってしまう危険もあります。

足環の弊害2

他にも、絞扼までは行かないまでも、擦れて炎症を起こしたり、ケージ内に ある遊び道具などにひっかかって宙ぶらりんとか、動けなくなったりなど、 色々トラブるが報告されています。
気にしてかじっていたりする場合は、足環のしたで何か異常があるかもしれ ないので、見た目には足環で隠れているので良く観察してみるといいかもしれ ません。

対処法は?

足環は切断することができます。 場合によっては切断せずに外すこともできます。
一般的には切断するケースが多いですが、なかなか硬いので、ペンチとかで切 れない場合は専用の器具などで切断することもあります。
比較的安全に、切断することができるので、気になっている方は一度獣医さ んに相談してみることをお勧めします。
つけとく必要性がないなら、切断した方がいいのかなと思っています。

まとめ

足環は基本的には飼鳥では必要ないもの でも、ヨウムやオオバタンなどの特定の鳥種では必要なもの それどころか、絞扼や炎症の原因になることがある。
対処法としては、動物病院で比較的簡単に足環を切断してくれるので、一度相 談してみるといいかもしれません

補足

登録が必要な種に関して、詳細は自然環境研究センターをご確認いただいた方がいいと思いますが、 来院されるケースで多い鳥では、ヨウム、オオバタン、コバタン、キエリボウシインコなどです。
この中で一番最近、2016年にCITESの附属書1になったのが、ヨウムです。
登録申請して終わりではなく、5年で更新が必要になる。期限の前後6ヶ月が更新期間なので、2017 年ぐらいに登録された方、もう少しで更新になるかもしれませんね。
足環があればそれで大丈夫なんですが、今回お話ししたようにトラブルがあって外した場合はマイク ロチップの挿入が必要になります。
どこかに預けることがなければ、登録は必要ないんですが、ホテルとか入院が必要になる場合は、登 録証がないと、僕らも預かることができないので、注意が必要です。