うさぎの膀胱結石 治療と経過の記録

まさの森・動物病院で獣医師をしています、安田です。
コメントいつもありがとうございます。継続する励みになっています。色々いただいた質問に関しては、ライブ配信で無理なくお答えしていきたいと思っています。

私は年間約1500羽ほどのうさぎさんを診療しています。
今日は、「治療と経過の記録」シリーズで、うさぎさんで起こってしまった膀胱結石 の治療の実際についてお伝えしたいと思います。
ご来院いただいております飼い主さんの許可をいただきました。そのご協力もありま して、治療の経過もお伝えすることができました。
獣医師の本音、どう考えているかなどの生の声をお届けできればと思います。

うさぎさんの紹介

4歳のホーランドロップのmix、女の子
トイレでおしっこをする姿勢で長時間頑張っており、そのあと、4mmほどの 石が出てきた。(写真1)
おしっこには赤いもの、血液が混ざっているということで心配されてご来院
されました。
膀胱にまだ石がある可能性が考えられましたので、触診やレントゲン検査を します。

レントゲン検査

レントゲン検査をした結果の写真がこちらです。
横にして撮影した写真ですが、骨盤の下、赤丸で示した場所が膀胱ですが、 5-10mmほどの膀胱結石が4つ確認されました。

治療方針

自然と出てくる可能性もありますが、膀胱に石があると、おしっこが溜まっ ていないのにも関わらず、何度もおしっこを踏ん張ることが見られます。
その度に膀胱を刺激するのもあって、痛みが生じます。 その結果、食欲がなくなって、衰弱していくうさぎさんもいます。 飼い主さんと相談した結果、手術で摘出することになりました。

手術の写真

実際に麻酔にかかる前の写真です。手術前には麻酔のリスク評価と、痛み止めなどを注 射で打っておきます。
酸素と麻酔薬を混ぜたガスの中にいます。
5分から10分ぐらいで寝てくれますので、そのあと、仰向けにして、手術する場所、下腹 部の毛を刈って、消毒して手術です。
手術中の写真は痛々しいので載せません。 全身麻酔になるので、飼い主さんはすごく不安そうでしたが、命を預けてくれました。 すごく不安で、手術が無事終わるまで、病院の近くで待っていらっしゃいました。 手術が終わって、無事でいることを知って心から安堵されておられました。

午前に預かってお昼に手術、夕方には退院

意外かもしれませんが、当院ではなるべく入院でのストレスによる負担を減 らす目的で、麻酔からの冷め具合が問題なければ、お昼に手術して夕方には退 院となっております。
今回、手術したうさぎさんも、全身状態に問題なく、手術後しばらくしてご
飯を食べ始めましたので、退院となりました。

10日後、手術後の経過での来院

いつもとかわらない、元気な姿でご来院いただきました。
手術で切った場所の傷はすっかり綺麗にくっついていました。
気にして舐めることなく、ご飯も食べてくれこれにて治療は終了となりまし
た。

うさぎの膀胱結石について

うさぎさんは代謝で不要になったカルシウムの80%ほどをおしっこに排泄す る。
膀胱にできる結石はカルシウムの結晶
膀胱結石の原因としては、水を飲む量が少ない、膀胱炎などの感染、食事に
含まれるカルシウム含有量、運動不足、肥満などが言われている。
症状としては頻尿、血尿、おしっこの姿勢を長時間している。痛みから元気 や食欲がなくなってしまううさぎさんもいますので、その場合は早めに手術 を検討する必要性があります。

補足

かなり意外かもしれませんが、膀胱結石で亡くなってしまううさぎさんがいます。
人間では考えられないかもしれませんが、うさぎさんではこれが普通に起こってしま
います。
なので、血尿や頻尿などの症状が見られた場合は、様子を見ずに、すぐに動物病院へ
受診してくださいね。
なんでなのか、よくわかっていませんが、太っているウサギさんに多い気がします。適 度な運動、美味しいおやつばかりをあげすぎないことですね。太っているうさぎさん は可愛いんですけどね。
また、これらと関連する動画として、以前お伝えしたウサギを飼う前に知っておくべき 9つのことをも一緒にご覧いただければと思います。

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